目線を外しながらジェイは笑みを深くし、 ドリスはそんな彼の夢見るような目を注意深く見ていた。 「心配するなよ、 あんたには興味がない」、とジェイは笑みを浮かべて優しく告げた。
「ああ、 じゃあいいわね!」 それ以外なら何でもできると感じて、 彼女は安堵のため息をついた。
そして彼女は彼のために何でもやるつもりだった。 「ドリス、あなたは誇り高き女の子なのよ! 後々自分に腹が立ってくるわね」、と苦々しく思った。
彼らが歩みを進めていると、ジェイが突然立ち止まった。
ドリスはジェイが見ているところを目で追うと、半開きのドアがあり、 中ではチャールズのそばに女が一人立っていた。
チャールズは壁に背中を預けて陰気な顔をしていて、 何かをとても心配してとても落ち込んでいるようだった。
その今の状態はいつものハンサムな見た目とは似ても似つかなかった。
「チャールズじゃない? ここで何をしているのかしら?」 ドリスは混乱してそう聞きながら、 かすかに顔を困惑にゆがめた。
ジェイは足を速めるとドアを押し開いて中へと入った。
「チャールズ、ここで何してる?」 驚きをにじませた声でそうたずてチャールズに近づき、 ジェイは彼の腕を取って体を支えた。
「ジェイ、お前なのか?」 チャールズは焦点の合わないで目でジェイの顔をじっくりと見てそう聞いた。 チャールズは彼に笑いかけたが、弱々しい顔は青ざめていて どうやら飲みすぎてしまったようだった。