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私のCEOであるパパ
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第1章ハンサムな見知らぬ男
文字数:3154    |    更新日時:20/02/2021

「つらい…」

少女の身体の線が細くて美しいことは、部屋の薄暗い明かりの中でも十分に分かった。 カー・グーは、ベッドのシーツの中にだるそうに横たわり、寝ぼけているその少女にすぐに気がついた。

「おい! 俺の部屋に誰がお前を入れた? !」

少女の顔はぼんやりとしていて、はっきりとは見えなかったが、美人かどうか見分けることは簡単だった。 カーはベッドに近づき、謎の少女のあごを持ち上げて顔を確かめようとした。 その瞬間、少女はベッドから飛び跳ねるようにして、彼の首に手を回して、激しく息ができないというように耳元で喘いだ。

「お願い… 私を…たすけて」

少女に抱きつかれたことと、耳元での激しい喘ぎがカーをたまらなくさせた。 もう我慢なんて無理だ!

裕福な家庭で育ったカーは、社会の闇も知ったし、裏社会のことも詳しかった。 貧しそうな少女は薬を飲まされているようだったが、楽しませてもらったとしても害はなさそうだったと彼は思った。

誰かは知らないがこの部屋に彼女を連れてきた奴は、俺に何かを求めているんだろう。 彼女に薬を飲ませたのもただ興を添えるだけだろう。 カーは口元に悪そうな笑みを浮かべながら、そんな考えをめぐらしていた。

そう考えたカーは、少女へと身を乗り出して、ためらうことなくキスした。

ジリリ… リン!

毎朝起こされている目覚まし時計の音に、ニコール・ニンはパチパチと目を開いた。 眠い目をこすりながらアラーム音を消そうとしながら、彼女はいつもと何か違うことに突然気がついた。

え? なぜ私、裸なの? そ、そして...? この隣で寝ている男性は一体誰? ! 思わず口を押えて、ニコールは自分が悲鳴をあげそうになるのをこらえた。

彼女は何があったか昨日の出来事をこめかみのあたりをこすって思い出そうとした。

ええっと… サプライズがあるから、ホテルで待ってるようにってグレゴリーが言ったのは覚えてる。 その後、フィオナが水をコップに入れてくれて… で、 それを飲んだ… その後… そうか、その時頭がくらくらし始めて、1001号室に運び込まれたんだ!

ニコールはあまりのショックに目を丸くした。 彼女の恋人であるグレゴリー・ソンと彼女の親友であるフィオナ・ジャオの関係がこのところずっと何か怪しいのではないかと疑っていたのだった。 それにしても、こんなふうに自分をはめるなんて思っていなかった!

ベッドを出て、グレゴリーとフィオナをどうしても探さなくてはと、ニコールは大急ぎで服を着た。 部屋を立ち去ろうとした瞬間、ふとベッドで寝ている男のことを思い出した。 昨夜薬でおかしくなっていたが、この男性は何度も繰り返してこんなことをしていいかと言葉をかけてくれていたことを彼女が覚えていた。それに、ここは1001号室ではなく、1101号室だと分かった彼女は、 この男性は自分と同じ「被害者」だったと思っていた。

とにかく、この人はとてもハンサム! 彼の引き締まった身体と彫刻のような顔立ちを見ながら、ニコールはそう考えていた。 まぁね… こんなにハンサムな男性としたんだったら、それほど困った状況でもないわねと、ニコールは肩をすくめた。 彼女はバッグの中からお札を出して、ベッドの脇に置いた。 そして、部屋を静かに出て行った。

無駄な時間を省くため、ニコールはタクシーに飛び乗って恋人のグレゴリーの家へと直行した。 到着したら何が待ち受けているか、さまざまな可能性が頭をめぐっていた。 ただ、到着して目にした状況にはニコールは本当にショックを受けた。

床中にちらばる脱ぎ捨てられた衣服が寝室へと続く。 その中にあった紺色のネクタイは、グレゴリーがニコールからもらったプレゼントだったが、 今は弊履のごとくぐちゃぐちゃになって床に捨てられた。

ニコールは耳をそばだてて部屋の向こうから聞こえる音を盗み聞きしようとした。 半開きになったドアからは、二人の会話や喘ぎ声が筒抜けだった。 もう我慢ならないとニコールは床にあったハイヒールを手にすると、ベッドの上の男と女へと向かって投げつけた。

「次からはせめてドアを閉めるのね、とんだ恥さらしな二人の姿を人に見せないほうがいいわよ。 でも、今後そんなことができるかどうかは知らないけどね」

グレゴリーは怒ったニコールの顔を見ると、ショックのあまりぼうっとしていた。 その反対に、フィオナは平気な顔をして、ベッドの足元にあったグレゴリーのシャツをつかんで、それを着た。 それから立ち上がってニコールの方へと近づいてきた。

「ニコール、はっきり言わせてもらうわ。 もう見られてしまったからには、隠す必要もないから。 私とグレゴリーはもう――」

「それよりも先に服を着なさいよ!」 ニコールは見るのも嫌だという風にフィオナから顔をそらせ、冷ややかに笑って言った。 「なんと目障りだな!恥ずかしいと思わないの?」

「あんたって… !」

怒りと恥ずかしさでフィオナは言葉を失っていた。 ニコールは目を細め、細い眉を上げてフィオナを一瞥した。

「グレゴリー、これが望みってわけね? フィオナなんかがタイプなの?」 ニコールは、青ざめているグレゴリーに向かってあざけるような笑みを浮かべた。

そして、フィオナに向いて「親友だから、言わなかったの。フィオナ… 気分を害したら悪いから、今までずっと黙ってた」 皮肉さを込めてニコールは明るくいい放った。 「あんたって、小さいころから私の着古した服とか、私が飽きちゃったものとか使ってたのよ。 大人になっても同じだなんて! 笑っちゃわない?」 ニコールの笑い声も皮肉たっぷりだった。 「それで、今度は私が使い古した男に手を出したってことね! いらなくなったものを拾い集める専門家ってあなたのことね!」

これを聞いたフィオナは明らかに怒りを感じていた。 彼女の父親はかつてニン家の運転手だったのだ。 だから、彼女はニコールに対する劣等感にさいなまれていた。 ベッドに寝たままのグレゴリーはゴミ扱いされたので、気分を悪くしていた。 非難するためにニコールに向かって指さし、叫んだ。「ニコール、そういうのが嫌になったんだ! うぬぼれてばかりいるところが! まだ自分のことを、ニン家の気高い娘とでも? 父親が亡くなって、君の家は破産したって忘れるんじゃないぞ! 今の君は単なる貧しい哀れな女だ。 皮肉だね、君が僕とフィオナのことを見下した物言いをするとは。 昨日の夜、お前は何をしてたって?」

これで、昨夜の一件は二人が仕組んだことだとわかった。

そういえば、確かグレゴリーはマカオでお金をすったっていってたはず。 それが家族にばれたら大変だともいっていた。 私は、借金の肩代わりにされたってこと? だけどフィオナはうっかりと違う部屋に私を入れたってことか!

ニコールはその考えに、背筋に冷たいものを感じた。 そして、彼女は皮肉たっぷりに目の前の男女を見ながら笑っていった。

「昨夜のことならすべてお話するわ! ホテルで昨夜を過ごしたお相手はすばらしかったわ。 身体も顔もとてもよく、ハンサムな人よ! 実際、あなたとするよりずっと良かったわ。 すごい経験をしちゃった!」

ニコールはグレゴリーがプライドの高い男だと知って、わざと彼を刺激しそうなことをいった。 案の定、グレゴリーは顔を真っ赤にし、ニコールを睨みつけながら、怒りで歯をくいしばりながらいった。

「この尻軽女!」

「いえいえ、とんでもない。 卑怯者としては、あなたたち二人には遙かに及ばないわ」とニコールはいい返してやった。 そして、彼女は「ふん」と鼻で笑い飛ばすと、踵を返してその場を離れた。ハイヒールでコツコツと床を鳴らし、その音は誇り高き女王を思わせた。

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目次
第1章ハンサムな見知らぬ男 第2章帰国 第3章七年ぶりの再会 第4章彼に知られてはいけない 第5章彼女と共に 第6章見知らぬ女性が嫌だった 第7章久しぶり 第8章旧友との再会 第9章よくも俺の部下に手を出したものだ! 第10章ゆりかごで息の根を止める 第11章バカママ 第12章証拠は破棄し忘れないように 第13章今度はまた何をやらかした 第14章頭がいいのは僕のせい? 第15章父親と息子の出会い 第16章俺に抱きつくのが好き
第17章彼の息子
第18章お楽しみの時間
第19章彼女じゃない
第20章7年前の娘じゃない
第21章罠なのか
第22章俺の愛を独り占めしたいのか
第23章三人家族
第24章血を見るのと注射が苦手
第25章父親になってもらいたい
第26章命より大切な人
第27章旧友の帰国
第28章特別扱い
第29章彼女の注意を呼び起こす
第30章大胆にも彼は本当に入ってきた
第31章あり得ないことはない
第32章彼の言い分
第33章新しい学校は気に入りましたか
第34章ジェイは僕の息子だ
第35章だから何?
第36章彼女との結婚を望む
第37章親切なグーおじさん
第38章良い評判の家柄
第39章ジェイの寝言
第40章お邪魔ならごめんなさい
第41章あなたを軽蔑する
第42章あなたとは関係ない
第43章何もその事実を変えることはできない
第44章ろくでなしが二人いる
第45章俺の女になる運命だ
第46章あなたじゃない誰か
第47章彼を誤解していた
第48章人間それとも、幽霊?
第49章お嬢さん、あなたは誰
第50章評判を落としたくない
第51章選択肢はひとつ
第52章話に乗るしかない
第53章いざこざ
第54章わざと
第55章目を開けるな
第56章口約束
第57章腕に抱きたいのは君だけ
第58章問題は解決した
第59章なぜそんなに沢山の女がいるの
第60章どうして夢を叶えないと言い切れる
第61章彼女をトラブルに巻き込むな
第62章食べ物を無駄にしてはいけない
第63章成功を祈る
第64章コントロール不能
第65章ソウルメイト
第66章私生児
第67章父子鑑定
第68章人魚は小さな池では生きられない
第69章グー家の女主人
第70章子どもの頃は僕とそっくり
第71章なぜ服を着てないの
第72章あなたの選択は私の選択
第73章彼の腕の中
第74章今晩、君を待っている
第75章彼の謝罪を受け入れる
第76章関わらないで
第77章俺を好きだと正直に認めろ
第78章ここから離れたい
第79章エイブリーとの再会
第80章犬が噛んだ痕
第81章彼女だけの秘密
第82章賭けようとしてるのか?
第83章グー家の本家にて
第84章心のままに
第85章CapítuloRainyNight
第86章Capítuloあなたのもののどこか
第87章Capítulo良い話
第88章CapítuloGoHome
第89章Capítulo私は自分が間違っていることに気づきました
第90章Capítulo彼女の夢から目を覚ます
第91章Capítulo意味のないもの
第92章Capítulo自動車事故
第93章Capítuloジェイは元気になります
第94章Capítulo輸血
第95章Capítulo約束を守ります
第96章Capítuloジェイは痛くない
第97章Capítulo彼を押しのける
第98章Capítulo別のスパイ
第99章Capítulo入札イベント
第100章Capítulo失神
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