その手の中では、宇治原南美の邸に忘れてきた簪が、所在なげに指先で弄ばれている。流れ
を尽くした悪魔が、突如として人の皮を被り、善人であるか
真衣にはまるで理
ほど伝わってきた。 かつて、彼を善人だと信じていた頃
しゃぶり尽くされる