真っ赤な中華料理を見て、
んじゃなか
ざとらしく眉をひそめた
ように促した。「じゃあ、なんで
ーンで答えた。
その一言が、美月の胸をチクリと刺した。じわじわと痺れるような、切ない痛みが広がる。――彼は、知っていたのだ。 だが、二人が結婚して以来、食卓に唐辛子が並ぶことはなかった。彼の好みに合わせるため、美月はずっと辛いものを食べる習慣を少しずつ直してきたのだ。時間が経つにつれ、彼女自身も、かつては辛いものがないと生きていけなかったことすら忘れてしまっていた。