々し
に左右へ引かれ、乾いた杖の
大旦那、北条宗太郎だった。八十を超えてなお鋭い眼光が座敷を一巡すると、
き、わずかに顎を
赤く腫れ上がらせて青白く震えている香代
。香代、わし
今、給仕の手を煩わ
奥へと押し戻された。宗太郎は、五年前に孫の潤平を命がけで救った恩人が香
ったのか。香
はい、
体を起こした。視界の端が黒く霞み、膝が笑う。それでも歯を食いし
水と火傷の軟膏を持ってこさせると、
向かいに座る潤平は冷や
、特別扱いを受けることだ
うに「夫に振り向いてほしい顔」をしていなかった。ただ静かに頭を下げ、丁寧に礼
た瞬間、香代の胃が激しく痙攣した。流産直後の衰弱し
…ここで倒れたら
白くなるほど握りしめ、額に
香代は「少し風邪気味なだけでございま
た。いつもなら食事中も自分に気を配り、好物の料理を勧めてくるはずの妻が、今夜はまるで自分と
告げ、宗太郎が疲労を理由に奥へと引き取ると
を引きずるようにして薄
らなかった。身体の奥が重く軋み、一歩進むごとに、下
ら伸びてきた骨張った強い手が、容
……
に引きずり込まれ、冷たい杉
に立ちはだかっていた。冷冽なシダーウッド
は終わ
げ、無理やり上を向かせた。漆黒の
魂胆が見え透いていると言っているんだ。父親に嘘をつかせて祖
据えた。そこには、かつて彼に向けられていた熱
でしょうか
う他人のような呼称に、潤平の
…何
心くだ
残された左手で静かに、だ
すぐにでもお
手を強く握り締めると、かつて火災で
んな白々し
れ合いそうなほどの至近距離で威圧
高鳴らせていたはずの香代の瞳は、まるで
た――その時、彼のスーツの内ポケット
平の表情が、表示された「優歌代」の
り出すと、男は躊躇なく通話ボ
か? ど
ていたものとは完全に別人だった。甘

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