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チャプター 3 episode2 「ホントに来たんだっ、この村に!」

文字数:6260    |    更新日時: 03/08/2021

。ところどころ顔を覗わせる野花や蝶が郊外の雰囲気を漂わせる。戦場としてはたびたびこういった自然豊かな場所へ訪れる経験はあったが、そもそも戦以外で王都以外を訪れる機会がなかった私は、なんとなく気が

と一人見当たらない。同じ国に住んでいるとい

鎧は入れ物に入れ、背負うことでそれを持ち運んでいる。それに加え日用品を入れたアタッシュケース。当初は最低限の物だけの予定だったが、必要のない華美な洋服を何着も持たされて

影響を感じたことはない。一振りさえすれば勝負を決定づけることが出来るの

介の兵士である私が持ち出せる物は可能な限り持ち込んだつもりだ。村に隊

を直しながら周囲を見渡した。敵意も、そして装備の不備

及ばないが、この長い長い畦道を何時間も歩くのは結構な苦行だ。町に用があるたび、カルム村の者はこの

築され、村というには田畑が見受けられない。恐らく別の場所に作っているのだろう。入り口に立っ

か近くが戦地になったという記録もなく、恐らく自分のような者が村へやって来ること

か。当然、新参者の私には検討もつかない。単純に一番立派な造りをしている家が村長の

ね廻す。どちらを選んでもメリットとデメリットは存在する。これからこの村に

場なら、とっくに

の…

呼びかけに、私は反射的に振り向くと同

いや、ちょっ

入口で、しっかりと装備を整えた人間が突っ立っているのだから。にも関わらず反射的に

せん、突然のこ

ると波打つ茶髪を後ろに纏めた、少女とも大

れない顔だったから声掛

致しま

を下

こそ、いきなり声

しい存在なのは

たのだが、それがどうしてなのかは感じ取れない。きっと私のコミュニケーション機能が低いせいだろ

ですが、村長に会うにはどの場

ジュといいます。この村の村長に挨拶

私の手を取って握りしめた。それほど強くはない力で

んだっ、この村

分が昂揚しているようだった。この村が騎士を必要としているなどという話は聞いて

舎に? って思ったけど

ことなのかどうかは、まだ判断に迷うところである。仮に私を必要としていた場合、村の状況はあまり芳し

の物珍しさであることを

、村長の所在をお聞

とが達成出来ていない。余計な

ん。村長のいるところだっけ

時間を取ら

からい

を預けるのは、あまり好ましくない。ただ、この手を振りほどいて不信感を生じさせ

にいるらしく、そ

。ここで薬師を

…ロ

早い。そしてなにより、この村に住む住民だとい

物。よく持って来れた

気遣

は心許ないため断る。きっと、彼女か

増えていくことに気がついた。私が通った後ろで名残のよう

って怪しがってたからさ、いざホント

なので

ひらと白いロングスカートをなびかせ、「そうそう」と言って笑う。その子供のような無邪気

ろう石畳の広場と、そこに鎮座する風見鶏。家々には玄関先に花

他の家より若干幅を取って

が村長

す、ありがと

見知らぬ私に声を掛け、さらには案内までしてもらった

こういうの

ら、家の扉をこ

ルユではそんな成り立ちだったはず。だとするなら、私もそれに則り恩を返すべきなのだろう。

交わす。ロラと親しげに会話していると

でくださいました。あいにく

らへ行かれたか教えて頂い

と思いますので、家の

村長の妻というには些か若い、娘と言っていい奥方だった。三つ編みにした髪を

中、金髪というのは珍しかった。ど

髪色ではない。素性の分からない私の

? どう

つめていた私にロ

様というにはお若

がお上手なので

る。世辞など言えないので正直に言ったつもりなのだが、一

えて、オレリアさんは村長

っと、

たことはないため何とも言えないのだが、村長というからにはそれ相応の年齢のはず。

すいませ

ば、家の中で村長を待つという話だった。家の前で待機するという

跨がせて

様、これから

くれる。これから何度も

、軽く頭を下

ときだ

いうのはそ

突き刺す。それは雷のように突然の

ょっと、なん

葉に対して、間髪入

持つ男性だった。少し土で汚れた外套を纏い背には弓矢を

知らねぇが、俺はそこの騎士に

んで

うし

しかめた。嫌だとでも言いたそ

か御用で

面だ。従って、因縁を

御用、

。まるで嫌なものをひた

の村は騎士に用

分からない嫌悪感をぶつけられている。分からない

を握ったのは本当

様!? ストッ

。きっとそうしてくれなければ、そ

ってきたんだ、今更のこのこ

で私の中で納得がいき

そうして村を守ってきたのだろう。その中に今さら私が来たもの

なこと私に言

けここへ来ました。

それはそっ

が内包されていた。燃え盛る木炭のよ

れま

るさ

と言われたところで、しかし王都を追い出された私に帰る場所

れたのに、そんな

らない。ロラには迷惑を掛けてばかりだが、恐らく私か彼のどちらかが譲歩しない限りは収束しないだろう

ころから来ただけだろ、

レク

ら簡単に折れそうな奴に

たら折れそ

に、ロラは

問視している、とい

るならば、なるほど。それは村にとって頼もしい存在かもしれない

う見ても強そうに

私があなたを制圧すれば認めて

としては一番適しているはずだ。ただ私以外驚きで目を張っているところを見るに、それ

士様

てんの

決してその

。その実績があるのは認めよう。ただ私も帰るわけにもいかないた

の挑発乗った

示させて、親指で石畳

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目次

チャプター 1 Prologue 「意思なき幽霊」 チャプター 2 episode1 「そうやって、後ろから罵倒するだけなら」 チャプター 3 episode2 「ホントに来たんだっ、この村に!」 チャプター 4 episode3 「だが信用したわけじゃない。だから名前だって名乗らない」 チャプター 5 episode4 「それはきっとね、あの子が素敵な人だからだよ」 チャプター 6 episode5 「でも困るよ。ここはアタシの持ち場なんだ」
チャプター 7 episode6 「いいえ、あなたがいるのはずっと仄暗い下のほう」
チャプター 8 episode7 *silencieux
チャプター 9 episode8 「意外だな。騎士様も冗談が言えるのか」
チャプター 10 episode9 「まぁ、平気そうでなによりだわ」
チャプター 11 episode10 「鞘だけは打ちたくない」
チャプター 12 episode11 「次来るときは、剣は置いてこい。それと鎧もな」
チャプター 13 episode12 「どうでもいいだろ、そんなこと。オレの恋人だって」
チャプター 14 episode13 「あぁ兄弟。」
チャプター 15 episode14 「……騎士……」
チャプター 16 episode15 「あぁ、嫌になる。それくらい彼女が欲しい」
チャプター 17 episode16 「綺麗だ。そう思う感情は人も我らも変わらないだろう」
チャプター 18 episode17 「だから、ここから。」
チャプター 19 episode18 「ただ、そうですね。悪い感情を抱いた者がいるのも事実です」
チャプター 20 episode19 「ってことだ騎士殿。よろしく頼むぜ」
チャプター 21 episode21 「騎士殿。鎧が濡れているな」
チャプター 22 episode21 「騎士殿よ、村長としてはどうしても聞いときてぇことがある」
チャプター 23 episode22 「あまり触れられたくはないことでしたか」
チャプター 24 episode23 「ってことは、カルムに来たのは厄介払いかな」
チャプター 25 episode24 「さぁ、もう一つどうぞ」
チャプター 26 episode25 「よほどのことがなければ」
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