褐色の女が号令を飛ばすと、すかさず襲いかかる8人。
するとフリードが矢のように飛び出し、男の一人を地面に押し倒してしまった。
それを見たサミュエルは男の後頭部を思い切り蹴り上げて気絶させ、短剣を奪い取る。
フリードは次の標的に大声で吠えた。
「畜生。」
「やりやがったな!」
「犬っころめ・・・。」
「生け捕りの予定は無しだ!」
「きさまら・・・。」
「二度と家族の顔は見れないぜ?」
「覚悟しな・・・!」
一瞬で仲間を倒され、思い思いの言葉を吐きながらいきり立つ7人。
格闘の腕に覚えのあるサミュエルは、奪い取った短剣をエルンストに託す。
エルンストは短剣を受け取ると感触を確かめるように握り締めてから、構えた。
女とその部下7人。
サミュエルとエルンスト、そしてフリード。
総勢10人と一匹の大乱闘が始まった。
雄叫びを上げて掛かってくる男達を時に躱し、時に殴りつけ、そして投げ飛ばす。
サミュエルは男の一人が大振りの攻撃を仕掛けてきた瞬間、その男の腕を掴んで力任せに地面に叩きつけた。