ブルーの海と、まばゆい純白の砂浜。しかし、松沢怜華の胸
時的に治まっていた。近衛家は体面を取り繕うためだけに悠
わなかった。この日のために用意した極上のラン
かされたようだった。怜華を抱き寄せ、二人はシ
シーツに血の跡が一切ない
消え去る。彼は凍てつくよう
処女じゃなか
ていないはずの過去の汚点だった。大学時代の恋人と
ないわ! 激しい
そうとする怜華を、悠
柄でね。結婚相手の身辺調査く
を怜華の顔へ乱暴に投げつけた。ひらりと宙を舞い、ベッ
婦人科の医院名と、堕胎手術の記録が
は、喉の奥から声にな
も見るような蔑
でなく、最後まで騙し通すつもりだっ
を刺すように冷
乃枝さんのほうが
華の矜持を無残
を一人リゾートに取り残したまま、その
界の笑いものとなった。泥に堕ちた白鳥が
能登に佇む
すり潰し、慧のための解毒薬を調合していた。そ
しずつ流し込んでいく。耐えがたいほど苦いはずの
果、慧の青白かった顔色は目に見えて良
、ベッドの脇に置いた椅子に座った
ら差し込む柔らかな月
―ベッドに横たわる鷹司慧の瞼が、ゆっく
ものではない。すべてを見通すかのような
かないことを確かめる。毒は抜けつつあ
移した。そこには、無防備に身
の狭間で、慧は自分に起き
自分を治療
を監視する者た
分を殺そうとする者た
一体何者な
た新たな監視役か
間の凛とした佇まいとは打って変わり、その
かに湧き上がる。警戒心と好奇心、そして、ほんのわ
中させた。脳からの微弱な指令が、傷ついた
んの数ミリだけ動き、乃枝の頬
身じろぎしたため、慧は慌てて目を伏
彼の心臓は初めて、これほ

GOOGLE PLAY