夜
暮らす高級住宅街
修哉の姿がどこにも
らにいた。だが、ふと時計を見上げる仕草を二度繰
葉璃奈の最
手にテラスへと向かっ
は煙草を吸
れた黒のスーツは気品に満ち、長い指が煙草の灰を払う。その手首にはめ
に禁欲的な魅力を引き出す男
呼吸が
を見つめ、何を想
な声で口を開いた。「修哉お兄ちゃん、もし
瞳の奥に宿る昏い光を
行ってあげて。 後悔するかもしれないから。 二年も
に、しかし嘲るように言った。
いることは、
ーズ船から海に落ちた榛葉
くり、お兄ちゃんと呼び、あなたの目を奪ってしま
たない少年だった。まるで一筋の光に出会った
の時まで決して離れないと、
目を開けた時、来る日も来る日も彼を
ずの少年を弄んだだけ。それなのに、自分は
なこ
は悪びれもせずに尋ねてきた。昔、小さな
修哉は骨の髄まで
それを
けらかんとして、すぐに自分
その美貌を盾に好
。「愛などない。
ことは恨んでない。ただ、自分の運命が恨めしいだけ。お母さんを失った
と、修哉の憎しみと自責の念
の母に寄り添いながら暮らし、すでに彼
榛葉家は死に
二年間、辛い
から、必死に耐えてこられたの」 雪乃は彼の胸に飛び込み、逞し
哉お兄ちゃん、私はこんなに傷だらけになってし
哉の脳裏に鮮明に蘇る。薄暗い地下室の中、雪乃は全身傷だらけで、見るも痛ましい姿だった。一体どれ
のもおぞ
。これからはずっと俺がお前を守る。あの
、雪乃の目元に一瞬、罪悪感が
めないだけで、ちゃんと……お世話はできるから。 いつかあなたが私に嫌気がさし
は、自らの服のボ
って、全くの不
やる。それは、璃奈とは
璃奈
を失った感覚
が璃奈に対して、欲望を抑え
と結論づけていた。どんな男でも
ライドがそれ
くない女。あいつを壊してしまえば、自
穏やかな態度の裏に有無を言わせぬ威厳を滲ませた。「雪
彼女の探りは、彼
女にしか興味が
璃奈は柳田貴弘にめちゃくち
ない。これから機
ただ、不安で……そばにいてくれ
時計に目をやると、それを
。これで今夜、彼がどこか