ジャンル-ミステリー小説

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出来損ないの娘が死んだ日

出来損ないの娘が死んだ日

都市

5.0

ゴミの山で発見された腐乱死体. それを前にして, 刑事の父と監察医の母は「汚らわしい」と顔をしかめた. 彼らは気づいていなかった. その無惨な遺体が, 自分たちが「出来損ない」と蔑み続けた実の娘, 私であることに. 母は私の指から, かつて私が誕生日に贈った手作りの指輪を無造作に引き抜いた. 「こんな安っぽい指輪... 被害者は貧しい生活をしていたのでしょうね」 彼らは私の体を解剖しながら, 養女である妹・萌のピアノコンクールの話題で盛り上がっていた. 「萌は私たちの誇りだ. この死体のようなゴミとは違う」 魂となった私は, その光景を絶望の中で見つめていた.

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