魔法ファンタジー小説

すべて
連載中
完結
十世の恋は血に染まりて

十世の恋は血に染まりて

ファンタジー

5.0

戦神が情劫を超えるには、十度の輪廻が必要だった。 そのすべての生で、相手となるのは決まって私だった。 彼は司命仙君の庇護を受け、記憶を抱えたまま転生する。 だが私は、毎回彼に殺され、愛という名の試練に弄ばれ続けた。 最後の世では、一族を皆殺しにされ、そして私も斬られた。 瞳にわずかな悔いを滲ませながら、吐き出した言葉は凍りつくほど冷たい。 「凡人は我らの情劫のための道具にすぎぬ。選ばれたことを光栄に思え」 魂となった私は九洲を彷徨い、玄衣の男に出会う。 神剣に封じられた彼は、私を見ると目を輝かせた。 「この剣を抜けるなら、おまえを蘇らせ、復

死に戻りの私は、清廉ぶる姉を地獄に引きずり込む

死に戻りの私は、清廉ぶる姉を地獄に引きずり込む

ファンタジー

5.0

我が家が滅ぼされたその日、姉は相変わらず、争うことなく、静かに花のように佇んでいた。 仙山の掌門に見初められる幸運に恵まれたのは、そんな姉だった。だが姉は淡々と、私の代わりに断った。 「父母の亡骸がまだ冷めぬうちに、どうしてそんな非情で義理もない真似ができるの?喪に服すこともせずに……」 その一言で、私は掌門に「親を敬わぬ者」と見なされた。 一方で、姉は情に厚く義を重んじるとして、掌門の破格のはからいで最後の弟子に迎えられた。仙門へと連れて行かれ、三年の喪が明けた後に正式な弟子としての儀式を執り行うこととなった。 ――三年後。その拜師礼の最中、私と姉は共に魔族の手

千年狐の愛は一度だけ

千年狐の愛は一度だけ

ファンタジー

5.0

あの方に一目会うため、私は自身の妖丹を捧げました。 幾多の苦難を乗り越え、ようやくお会いすることができたのです。 しかし、彼が私に告げた最初の言葉は、「失せろ!」でした。 それからほどなくして、私は俗世への執着を断ち切り、悟りを得て仙人となりました。 一方、彼は私を愛しても得られず、その場に囚われ続けています。 私は彼に、その執着を手放すよう諭すのです。

彼の望まれない番、彼女の禁断の魔法

彼の望まれない番、彼女の禁断の魔法

恋愛

5.0

五年もの間、私は「頭領の番」だった。けれど夫である大和がその愛情を注いだのは、ただ一人の女だけ。 盛大な会のパーティーで、私たちの脆い見せかけの夫婦関係は崩れ落ちた。巨大なクリスタルのシャンデリアが天井から引きちぎれ、私たち三人の頭上へと落下してきたのだ。 恐怖に凍りつく一瞬、大和は選択をした。 彼は私を乱暴に突き飛ばした。安全な場所へではない。砕け散る破片が降り注ぐ、その真っ只中へ。彼は自らの体を盾にした。けれどそれは、愛人である玲奈だけを守るためのものだった。 医務室で目覚めた私の体はボロボロで、内なる狼との繋がりは一生癒えないほどの傷を負っていた。ようやく彼が見舞いに来た時、その

ManoBook