ヤツこそは、イカしたアイツ。 否、イカの姿をしたアイツ‥‥怪人イカ男?! 傭兵として、武芸を磨く事に捧げてきた青春時代の敗北と挫折。 流れ着いたカイザード帝都で、捨て犬の如く拾われたボトマーズギルド・ハニカム。 面倒臭がりでヤル気無し、いつも金欠裏目なチンピラに転生してしまった!? 語り手が次々と変わる新感覚ライトノベルです。 ※この小説はフィクションであり、登場する人物や団体などは、現実とは異なります。
まとわりつく血煙の中、赤黒い刃が閃く。
ゼェハァと荒い呼吸‥‥片っ端から斬って斬って斬りまくる。
意思に関係なく、身体が動いてる!?
<吾妹ハ、何処ダ‥‥?>
俺の口から、知らない声が発せられた。
ワギモって、古典表現で恋人を指す言葉だな。
逃げ出そうとした足を掴まれる。
血塗れな手の群れが迫りくる。
<全テヲ捨テ、頂点ヲ目指スモ、マタ一興>
再び、赤黒い刃が閃く。
亡者共の手を斬り払う不快感は、やがて快感に塗り潰されていく。
暗闇と血煙の戦場を駆け回り、斬って斬って斬りまくる‥‥。
≪ZuSha‥‥ZaShu‥‥≫
「「僕‥‥? 拙者‥‥? 俺‥‥?」」
他の誰かとシンクロするような感覚。
斬る度に、大切な何かが消えていき、塗り替えられていく。
斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬って
キッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきって
キッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテ
キッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬って
きってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ
<良イゾ、良イゾ‥‥、砕ケヌ身体。思ウ存分斬レル>
オマエは誰だッ!
俺の名は‥‥。