なくなるまで待ってから、真っ
時の反応――あふれんばかりの喜びに、路井晟は自分のためだと思い込んでいた。だが、違っ
メッセージを送った。あのドナーを絶対に見張
?本当に……もう、心
乃の手を握って自分の頬にすり寄せた。愛情深
病室の奥様なんて、もう半月も入院してるのに、旦那さん
清乃はかろうじて口元を引き上げたが、それは
女性よりずっとひどい――希望がすべて潰
親の家に
路井晟は一瞬ぎこちなくなり
ね、移植が終わって元気になったら、また一緒に住めば
一片もなかった。久我清乃は、喉に引っ
に、あの家でお願いしたいの。お父さんと
気づく様子もなく、瞬きをひとつすると
も、あそこはちょっと散らかってるから
。路井晟が事前に準備しよう
はない。ただ、出発する前に、あ
たが、今では穢れきっていて
った。二度と会いたくないと願っていた
きた五十代の女性――
清乃は初めて月島る
母も数日後に移植手術を受けま
を浮かべながら久我清乃のベッド
でもない。せいぜい派手で男受けが良さそうなだけ。だが浮気に
もない。そもそも、たった一人の男の心すら繋ぎとめられ
ぎった。彼は月島るかを一瞥すること
かは唇を強く噛みし
話があった。久我家を母娘
ると思うと、それだけで十分だった。だから彼女は、意地でも路井晟に頼み込
久我清乃に近づくのをいつも阻んでいたのに、今となっては、も
かったんですって? 今度こそ、ちゃんと移
うや
にしていた水のコップを床に叩きつけた。鋭
、俺まで黙っていると思うな。これ以上、くだらな
のやり取りを黙って見ていた。まるで舞台
も、胸の奥がじんと痛んだ。彼は――最後の最
する気力すら湧かず、目を閉じ
路井晟がいなくなるのは、もちろん辛い。彼の影から抜け出すには、きっ
。それだけが、彼らに報
が目を覚ますと、病室
階段のほうから微かに衣擦
の男の声は、あまりにも聞き慣れ
乃はそっと階段のドアを押し開けた。視界に飛び込ん
日の午後、あんなに怒っ
首に腕を回し、甘え
後悔してるんでしょ? やっぱり、あの
に彼女の唇を奪い
母さんに渡すに決まってるだろ。勝手
したでしょ? なんでわざわざ久我清
は艶やか
せたかったんだもん。いつもあな
さを増し、肌と肌がぶつかる音
魔め。どう
いつ唇を噛みちぎったのかもわからない
って言ってたけど、まさか月島
だ続いていたが、久我清乃はもう
人を捨てたのだから。けれど、現実をこの目で見てし
ない。冷静になんて、