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百合の花咲く岸辺にて

百合の花咲く岸辺にて

作者 間川レイ
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チャプター 1 第1話 百合の花咲く岸辺にて

文字数:2749    |    更新日時: 16/06/2021

木立を踏みしめ

積もった小山の中を、ザクザクと

、私たちの荒い息遣いのみ。私はひいひいと

休憩

うん、と首を振

まだ大

私は頷くと

う出されたかな」との言

私は、そう

いるわけではない。私たちは全

い事も家族も、すべてを

。時間的に見て、そろそろ私たちの残し

織されるはずだ。そうなる前に、私たち

ろう。不安そうな顔で「急いだほ

渡り、ずんずんと私たちはその先へと進んでいく。 「そう言えば

うに。 そうだね。私は頷く。今から死のうとしているせいか、いろんな思い出が流れ星のように現れては消えていく。そう、色んなことがあった。必死に汗水たらして声が枯れ

てその涙をぬぐってやる。そう、楽しかったのだ。私たちの人

も、あったよね……」 そう私はぽ

ない毎日。成績が下がれば容赦なくぶたれた。誰のおかげで学校に通えていると罵られた。 膨大な習い事。興味のない分

先に入り、いい人と結婚する。それがお前の幸せだと説かれた。私には私なりの夢があるといった。子供のたわごとだなと冷笑された。そんな進路で飯が食えるもの

葉とともにがんじがらめに縛られていき、いつしか呼吸さえおぼつかなくなる。どこまでも親の敷いたレ

ても窮屈

っているだけで、そうしたことに苦痛を感じる私たちは異端なのかもしれない。 そうだとしても、この世界は私たちにとってあまりにも息苦しかった。私たちの意思はどこにあるのと叫び

性があるように見えていて、実はそうでもない。周りの環境や私たちの年齢でとりうる選択肢なんて限られてくる。ああ、なんて息苦しい人生。 「来世

の湖。白鳥の親子が泳いでいく水音以外、一切の音のないとてもとても静かな世界。 岸辺には百合の花が咲き茂っていて、私たちのいる

トで調べた時から素敵な場所だと思っていたけれど、ここまで素敵な場所だったなんて。 荷物を降ろす。もう、こ

る。怖いのならやめて

イちゃんと一緒なら怖くないよ」 そう言って微笑む。ありが

待っているのはまたあの地獄の日々

うな気がする。 だから私は、もう一度ユリにありがとう、という。

てみてザイルがほどけないことを確認する。これでいい。 せっかくなので、ユリの頭に近くに生えて

て頷きあう。これでいい。これでいいのだ

と。 勢いよく大地を蹴って。暗

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