藤原明の小説・書籍全集
もう戻れない、私たちの七年目
みんなが言うには、あの冷徹な社長はただひとり、妻だけを愛しているらしい。 しかし結婚7周年のその日。 彼は薬を盛られ、他の女と一夜を共にしてしまった。 彼女が駆けつけた時には、部屋は淫靡な空気に包まれ、床には破れた下着が散らばっていた。 彼はその場で跪き、自らの胸に7度刃を突き立て、二度と裏切らないと誓った。 それ以来、狂ったように彼女に償い続ける。 けれど彼女の心は知っている――二人はもう、元には戻れないと。 そして、ある写真が現れた時、彼女はついに決意する。完全に離れることを。
