私のなりすまし相手!?その正体は、私を溺愛する覇王!
前世、白石結菜は偽の令嬢である白石凛花の罠にかかり、大火の中で命を落とした。
死の間際、自分の居場所を奪ったその女は笑いながら結菜に告げた。 両親も、兄も、婚約者も、これからはすべて自分のものになる。
本物の令嬢である結菜は、白石家が最も消し去りたい汚点に過ぎないのだと。
再び生を受けた結菜は、白石家に迎え入れられて間もない頃に戻っていた。
今世では、もはや家族の愛情など望まない。ただの言いなりになる気も一切ない。
階段から突き落としたと濡れ衣を着せるなら、 本当に突き落としてやる。
部屋を奪い、身分を抑えつけ、尊厳を踏みにじるなら、 偽の令嬢が執着するすべてを奪い返してやる。
だが、凛花の部屋を接収し、隠されていた予備のスマートフォンを見つけ出した時、事態は想像以上に悍ましいものであると発覚する。
凛花は結菜の身分を盗んだだけでなく、彼女の写真を悪用してネット上で「もう一人の自分」を作り上げ、数々の名門の御曹司たちを翻弄し、都合よく男たちをキープすることで己の道を切り開いていたのだ。
そして、その中で最も価値が高く、最も危険で、決して触れてはならない存在が、絶対的権力を握る北条家の当主、北条慎一だった。
前世では白石家でさえ見上げるしかなかったその男が、結菜の写真を使ったアカウントに向けて、こんなメッセージを送ってきていた。
「愛しい人、いるかい?」
結菜は冷たく笑う。
凛花が結菜の顔を使って男を釣り、人脈を奪い、名門に取り入るのが好きだというのなら、 今世では、結菜自身がこの詐欺劇を引き継いでやる。
偽の令嬢に盗まれた顔は、取り戻す。
偽の令嬢が手なずけた男たちも、一人残らず回収してやる。
彼女は、彼を削除した。
そして、彼が自ら振り向き、生涯をかけて彼女を守り抜くのを見届けるのだ。