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鶴間社長、溺愛の甘い檻

鶴間社長、溺愛の甘い檻

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一夜の泥酔、彼女は大物と関係を持ってしまう。彼女は彼に頼みたいことがあり、彼は彼女の若さと色香に目を奪われていた。 時が経つにつれ、彼女は彼の心にずっと棲む人がいることを知った。あの女が帰ってきた日から、彼はもう家に帰らなくなった。津本薫は一人、彼のいない夜を幾度も数えた。そして迎えたのは、一枚の小切手と冷たい別れの言葉だった。 彼女が泣き喚くと思っていたのに、薫は小切手を受け取ると、きっぱりと背を向けた。「鶴間社長、もうお会いすることはないでしょう」……再会した時、彼女の隣にはもう別の男がいた。彼は血走った目で、声を震わせた。「薫、最初に君を好きになったのは俺だ」 薫は淡く微笑んだ。「鶴間先生、別れを口にしたのはあなたでしょう?私とお付き合いしたいなら、順番待ちかもしれませんね」】 翌日、彼女の口座に千億が振り込まれ、添えられていたのは一枚の婚約指輪だった。 鶴間先生は片膝をつき、彼女を見上げた。「薫、順番なんて無視させてくれ。俺の人生、全部あげる」

目次

鶴間社長、溺愛の甘い檻 第1章 大物との遭遇

ホテルのスイートルーム。照明は薄暗く、妖艶な雰囲気を醸し出していた。

津本薫は見知らぬハンサムな男と、よろめきながらも激しく唇を重ねていた。

今夜、元恋人の各務将人が婚約を発表した。薫はバーで泥酔し、アルコールと男の色香に誘われるまま、男についてここへ来たのだ。

将人が四年間もの関係を顧みず、金持ちの令嬢に乗り換えて自分をあっさり捨てたというのなら。

自分だって、一度くらい羽目を外したっていいはずだ。

一触即発のその時……

薫は男の肩に寄りかかり、周囲のすべてを忘れ、猫のように甘えた声でその名を囁いた。「将人!」

すべての親密な行為が、そこでぴたりと止まった。

カチッという軽い音とともに、部屋の照明が明るく灯る……

まばゆい光が、男の顔をはっきりと映し出した。

鶴間尚輝。国内トップクラスの弁護士であり、法曹界では誰もが認める「閻魔大王」だ。 その名の下には数えきれないほどの資産があり、まさに都市のエリートを絵に描いたような男である。

そして何より重要なのは、彼が将人という浮気者のクズ男の義兄にあたるという、とんでもない身分を持っていることだった。

薫は一瞬にして酔いが醒めた。

彼女はそっと目を閉じる。――なんてこと。かつての恋敵の兄と、あわやベッドを共にする寸前だったなんて!

尚輝は女から身を離した。

彼は壁にもたれかかり、俯いて一本の煙草に火をつける。そして、薫を頭からつま先までじっくりと見下ろし、面白がるような表情を浮かべた。「面白いな……津本さん」

彼は煙草の灰を払い、笑っているのかいないのか分からないような気だるげな声で尋ねた。「俺とキスしてた時、どんな気持ちだった? 俺を抱いて、将人を思いっきり不快にしてやろうとでも?」

どうやら、尚輝も彼女に気づいていたらしい。

薫はとぼけることすらできなかった。

尚輝はあまりにも有名だ。知らないと言えばあまりに嘘くさい。たとえ、先ほどまで本当に酔っていて気づかなかったとしても。

彼女は、このような大物を敵に回すわけにはいかないと悟り、頭を下げて謝罪するしかなかった。「申し訳ありません、鶴間先生。酔いすぎていました」

尚輝は彼女を責めることはせず、一本の煙草を吸い終えるとすっと立ち上がり、ジャケットを彼女に投げ渡した。「羽織れ。送っていく」

薫は素直にそれを受け取り、小さな声で礼を言った。

尚輝が運転するのは、ベントレー・コンチネンタルGTだった。車内では、二人の間に会話はなかった。

薫は時折、彼に視線を送る。

尚輝の横顔は完璧で、彫りの深い顔立ちが際立っていた。身につけたシャツはブランドこそ分からないが、上質で品格が漂っている。

薫は、これほどの男が女に困るはずがないと推測した。

目的地に着き、車が停まると、尚輝は体をこちらに向けた。彼の視線が、薫の長く白い脚にしばらく留まる。そして、彼は前の収納ボックスから一枚の名刺を取り出し、薫に差し出した。

男女のそういうことについては、少し考えればすぐに察しがつく。

身元がバレた後も、彼がまだ自分と関係を持とうとしているとは、薫は思いもしなかった。

尚輝は確かに魅力的で、彼との一夜はきっと素晴らしい体験になるだろう。だが、彼の身分を考えると、薫は頭が痛くなる。彼女は少し迷った後、やはり断った。「鶴間先生、もう連絡を取り合うのはやめましょう」

尚輝も、さほど気にした様子はなかった。

薫は確かに美しい。だが、彼も無理強いするつもりはない。

彼は名刺を引っ込め、むしろ上品に頷いて言った。「君みたいなタイプは、確かに良妻賢母が似合う」

薫は少し気まずくなったが、尚輝はまるで今夜の妖艶な出来事がなかったかのように、紳士的に車を降りて彼女のためにドアを開けた。

金色のベントレー・コンチネンタルGTが、ゆっくりと走り去っていく。

夜風が吹き抜け、薫は全身に寒気を感じた。ジャケットを返し忘れたことに、今さら気づいたのだ。

追いかけるべきか迷っていると、携帯電話が鳴った。

電話は実家の津本京子からだった。その声は焦りと涙に震えている。『薫、早く帰ってきて!家で大変なことが起きたの!』

薫は慌てて事情を尋ねたが、京子は電話口ではうまく説明できず、ただ早く帰るようにと繰り返すだけだった。

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