花咲く心の小説・書籍全集
夜が来るたび、君に堕ちる
彼女は生まれながらに稀代の美貌を持ち、その艶やかな容姿は社交界に鳴り響いていた。だが、実家は没落し、巨額の負債を抱える身となっていた。 ある日、恋人との破局が訪れる。誰もが皆、強力な後ろ盾を失ったこのか弱い美女が、今後この街で生きていくことなど不可能だと噂した。 しかし、予想だにしない事態が起きる。常識外れで知られる“ある御曹司”が、まるで獲物の匂いを嗅ぎつけた狂犬のごとく、彼女に執着を見せ始めたのだ。 それから、ある日のこと。 冷血薄情で知られるその若き総裁が、ひとりの美女を密かに囲っているという噂が流れた。しかもその相手は、不正な手段を使って親友から奪い取った女性だという。 若き総裁は、その美女に対して連日湯水のように金を使い、彼女の言葉には絶対服従。その溺愛ぶりは底を知らない。 人々は口を揃えてこう言った。「彼が養っているのはただの愛人じゃない。崇め奉るべき女神様だ」と。 【放蕩者は貞節に殉じ、向日葵は夜明けを待たずに枯れる。私はあなたと共に堕ちる日々に、溺れていく】
