花風カレンの小説・書籍全集
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偽りの寵妾、真の目的は命
私は幼い頃から、お嬢様と共に育ち、まるで実の姉妹のように深い絆で結ばれていた。 名家は、お嬢様の婿選びに心血を注ぎ、ついに科挙の新科状元を見初めた。 私は信じて疑わなかった――お嬢様が、幸せな縁を結ぶのだと。 だが、婚礼の前夜、突如として家門に災厄が襲いかかり、一族は滅び去った。生き残ったのは、お嬢様と私、ただ二人。 風雨の中、頼るはずの婚約者を目指して逃れる途中、お嬢様は何者かにさらわれ、行方知れずに。そして最後には、誰にも知られぬまま、枯れ井戸へと身を投じる結末を迎えた――。 そんな中で私は、かつてお嬢様の婚約者だった男に「寵妾」として迎えられ、やがて彼の唯一の子を身ごもることになる。 皇族の姫は私を目障りと睨み、状元の男は私を掌中の宝のように大事にした。 だが――誰も知らない。私の本当の正体は、彼らの命を奪うためにやって来た、報復の鬼なのだ。