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偽令嬢は追放先で、最強一族の真令嬢となり無双中!

偽令嬢は追放先で、最強一族の真令嬢となり無双中!

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望月愛子は名家で20年間を過ごし、婚約者との結婚式当日に、自分が血の繋がらない「偽のお嬢様」であることを知る。 本物の令嬢が戻ってきたことで、婚約者も育ての親も彼女を見捨て、険しく貧しい山奥の寒村へと送り返そうとする。 さらに恐ろしいのは、村に戻ること自体ではなく、そこの実の親が彼女に夫を用意していたことだった。 一難去ってまた一難と思いきや、 思いがけず、貧しいはずのその場所は国内屈指の超高級別荘地であった。彼女は一般的な名家の「偽のお嬢様」から、一躍トップクラスの超名門の「本物のお嬢様」へと転身を遂げる。 実の親や数人の兄たちは彼女を溺愛し、お小遣いとしてあっさり1億円を渡してくる。 ガレージには限定モデルの高級車が並び、高価なジュエリーやあらゆる高級オーダーメイド服も思いのままである。 進学するのも自由、働きたければ実家の会社に役員待遇で入り、自由に過ごすことができる。 田舎者だと思っていた夫もまた並外れた資産家であり、冷酷非情という世間の噂とは裏腹に、彼女にべったりで恋愛に夢中な性格だった。それだけでなく極度の焼き餅焼きで、かつての婚約者にまで嫉妬する始末。 望月愛子がどん底から頂点に立ったことを知った育ての親は、彼女を利用しようとしながら陰で中傷を繰り返すが、最終的には完全に叩きのめされる。 彼女の心を取り戻そうと手首を切る騒動まで起こした元婚約者に対しても、 望月愛子から返ってきたのは「消えなさい」という冷酷な一言だけだった。

目次

偽令嬢は追放先で、最強一族の真令嬢となり無双中! 第1章 偽りの令嬢

「新郎、篠宮琉生さん。それでは、新婦への誓いの口づけを──」

司会者の興奮した声が響き渡る中、望月愛子はウェディングドレスを身にまとい、宴会場の扉を開けた。その瞬間、彼女の目に飛び込んできたのは、婚約者が自分の妹にキスをしている光景だった。

今日は、愛子が琉生と結婚式を挙げる日だった。

望月家と篠宮家は、以前から婚約関係にあった。琉生は篠宮家が海外で育てた御曹司だったが、事故で視覚と聴覚を失い、帰国後は愛子が寝食を忘れて長年献身的に介護し、彼が再び健常者としての生活を取り戻す手助けをしてきた。

彼はかつて、目が治ったら必ず愛子に世紀の結婚式を挙げると誓ってくれたのに。

愛子は彼が回復したその日には立ち会えなかったが、琉生は約束通り、回復するとすぐに望月家に結婚を申し込み、式の準備を進めてくれた。

しかし今、満員のゲストが見守る結婚式の会場で、新婦は彼女ではなかった。

どうしてこんなことに?

「ちょっと待った!」

愛子の声に、宴会場にいたすべての人の視線が一斉に注がれた。

進行役の男は一瞬呆然とし、どもりながら言った。「ど、どうしてもう一人、花嫁がいるんだ……?」

愛子は、突き刺さる好奇の視線を無視してドレスの裾をまくり、大股で琉生に歩み寄った。そして進行役からマイクを奪い取ると、震える怒りを込めて言い放った。「琉生、目の手術は成功したんじゃなかったの? 相変わらず節穴もいいところね!」 自分の嫁の顔すら見分けられないまでに、目が腐ったの!? あんたが娶るのは、私、望月愛子よ! そこの平野未来なんかじゃない!」

琉生は顔を曇らせた。「望月さん、何を言っているんですか?」

「お姉ちゃん」未来が怯えた声で、青ざめた顔で言った。「普段から私に不満があるのは知ってる。でも、今日は琉生と私の結婚式なの。お願いだから、祝福してほしい」

「未来、下がっていろ」琉生は未来を背にかばうと、愛子を冷ややかに睨みつけた。「望月さん、俺の目が不自由だったことは知っているな。ならば、未来が何年も献身的に尽くしてくれたことも知っているはずだ。彼女は望月家の令嬢でありながら、お前との婚約さえなければ、こんな嫌がらせに耐える義理はなかったんだ」

「何年も、献身的に尽くした、ですって?」 望月家の令嬢、ですって?」愛子は思わず彼の言葉を遮り、せせら笑った。「ああ、なるほど。目の手術で視力は取り戻せても、脳みそまでは治せなかったみたいね」 未来がお前と、婚約ですって? ありえないわ。 彼女はただの、望月家の養女よ。だいたい、本当にずっとあんたの世話を焼いてきたのは、この私なんだからね!」

「そこまでにしなさい!」

そこへ望月純子が現れ、愛子の頬を思い切り張り飛ばした。「未来は、私たちの本当の娘だ。この泥棒猫め! あの子の身分を盗んでぬくぬくと生きてきた分際で、どの面下げてここで発狂してるんだい!」

愛子は痛む頬を押さえ、呆然と実の母を見つめた。「お母様……今、なんて? 未来が……そんなはず——」

言いかけた彼女の言葉が、ふと、止まった。

愛子は望月家の娘として生まれながら、物心ついた時から一度も「お父さん」「お母さん」と呼ばせてもらえなかった。長年、常に顔色を窺い、厳しいだけの両親に、親しみより怯えを覚える日々だった。

一方、未来はどうだったか。

未来と初めて会ったのは、ある駅でのことだった。

未来は当時、金髪のチンピラと揉み合っており、大都市に来てから他の女と曖昧な関係になったと泣きながら彼を責めていた。 愛子はチンピラが少女を殴る蹴るの暴行を加えているのを見て助けに入ったが、結果的に未来にまとわりつかれ、どんな仕事でもするから食べさせてほしいと懇願された。

当時の愛子は目が回るような忙しさで、未来にこれ以上絡まれていては埒が明かないと思い、仕方なく家へ連れ帰った。

その後、愛子は母親の口から、未来が両親の養女になったことを知らされた。

未来が望月家に来てから、両親は人が変わったようになった。四六時中、未来のことばかりを気にかけ、愛子への扱いは以前よりずっと冷たくなった。

未来は生来の臆病さで、憂鬱と不安に沈みがちで、ほとんど口をきこうとしなかった。両親はそんな彼女が心を閉ざさないようにと、それまで雇っていた家政婦まで解雇し、自分たちで台所に立つと言い出した。 ところで、贅沢な暮らしに慣れた彼らに料理などできるはずもなく、いつの間にかその役目は愛子に押し付けられることになった。

未来は愛子が一度も享受したことのない温情を享受し、愛子が一度も利用したことのない望月家のあらゆる便宜を手に入れた。

未来は望月家のコネで、あの一流大学にすんなり入学した。愛子が昼は会社のために走り回り、夜は寝る間も惜しんで必死に勉強して、ようやく合格した、あの大学に、だ。

愛子が血のにじむような努力で望月家のため築き上げてきた人脈。未来はただ着飾って現れるだけで、その集まりに参加できた……。このようなことは、数え上げればきりがない。

愚かにも彼女は、未来に何もかも譲り、甲斐甲斐しく世話を焼きさえすれば、いつか両親の愛が得られる、と本気で信じていた。

そして今、突きつけられた現実。彼女がどれほど努力しても、決して家族の愛を得られなかった理由——それは、自分が彼らの実の娘ではなかったからだ。

——笑えないにも、ほどがある。

「お姉ちゃん、ごめんなさい。全部私のせいなの。でも、お姉ちゃんはもうずっとお父さんとお母さんのそばにいたじゃない。琉生は…… 私たちは本当に愛し合っているの。お姉ちゃんが辛いなら、私……」未来は目を赤くし、何度も言葉を詰まらせながら、哀願するように囁いた。

愛子は、目の前で無垢を装う少女を嘲笑うように見つめた。 「私が辛いなら、どうするつもり?あなたの琉生を譲ってくれるのかな……ってね?」

「あなたの」という言葉で、愛子はわざと、じらすように言葉を切った。未来にはそれが、未だ諦めきれない未練の表れに聞こえたのだ。

「あんた……!」未来の顔が憎悪に歪む。が、隣に立つ愛しい男の気配に、彼女はすんでのところで激情を呑み込んだ。ただ、その声はもはや甘ったるい猫なで声ではなく、低く毒を含んでいた。「お姉さん、勘違いも大概にしなさいよ。彼は、私の婚約者。私のものなの! そう、最初から最後まで、あんたは簒奪者、偽者だったのよ!」

「なんだ……つまり、望月家の令嬢って、赤ん坊の時に取り違えられたのか?」

「この望月愛子も本当にわきまえないな。人の場所を奪っておいて、今度は婚約者まで奪おうとするなんて、恥知らずにもほどがある!」

ゲストたちは口々に噂し始めた。

愛子の顔からは血の気がさらに失せていく。彼女は目の前の「母親」を見据え、絞り出すような声で尋ねた。「……お母様。私は、本当の娘ではないのですか」

純子は顔を歪め、辛辣で鋭い口調で言った。「あんたのあの泥棒みたいな両親が、未来を売ってあんたを令嬢の身分に据えなければ、未来が長年あんな苦しみを味わう必要はなかったのよ!」

窒息するような痛みが胸にこみ上げ、愛子は凍りついたようにその場に立ち尽くした。

「未来の結婚式までは、あんたにもせめてもの情けをかけて、穏便に出て行かせてやろうと思ってたんだ。なのに、自分からその顔に泥を塗るとはな……」 純子は顎を上げ、言い放った。「いいだろう。そんなに結婚したいって騒ぐなら、ちょうどいいじゃないか。あんたのあの貧乏くさい実の両親がね、あんたにぴったりの旦那を用意してくれてるそうだよ。今、すぐ外で待ってるから、とっとと行きな!」

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