顔を出したのは、藤堂祥代だった。「お兄ちゃん、文祢お
すいたところ。一緒
藁にもすがるように、藤堂祥代
を伏せ、心の奥の感情を隠す。――や
に、榛名文祢を連れてあちこち
手にしながら、遠くにいる
彼は階下に降りてからというもの