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チャプター 3 イザベラの誕生会(2)

文字数:2794    |    更新日時: 08/12/2021

した。イザベラのお誕生日会は、町長夫人

レゼントを開けては、皆の前で披露していました。ご婦人方はテーブルに並べられた菓子やご馳走に舌鼓を打ち、世間話に花を咲かせています

した。正直な気持ちを申せば、イザベラの誕生日などどうでもよかったのです。いつのまにか私の心の中にあの方がいて、一目お会いしたいとばかりにお誕生会に出向い

たのね。それにしても、その

ドレスがこの場にふさわし

の形見なの

した。父親が出してきたドレス

が着るドレスは判らないでしょうね。

父に再婚で

身でいるのもなんでしょうし、タマラに母親は必要だって助言したの。けれど、あなた

の父に再婚話があったとは、町長夫人から訊かされるまで、ついぞ知りませんでした。一つ言えることは、父

相応の恋だと頭では判っていますが、気持ちはどうしようもなく望んでしまうのです。ですが、こうも考えました。イザベ

おいででした。レースをあしらった帽子を頭に乗せて、目元を隠しておいででしたが、赤い紅の唇と、顎から耳にかけての見事な骨格から絶世の美

長夫人も思惑が外れて落胆

り入ろうとしていましたので、私は少し離れた場

女性がいるなら、教えて

ベラが私の横にきて、

なかったの

ことだけど。それより、あなたの手にある包は

うと思っていたのに……。イザ

のない私は、ためらいなが

りが

、焼き菓子でした。ですが、贅沢に育ったイザベラには粗末にうつったのかもしれません。おそらくは気に

クリーム、たくさんのベリーで美しく飾り付けられたケーキに、来賓から拍手と歓

は、イザベラの祖母が、隣町か

私の焼いた菓子を落としてしまいました。無残にもアイシングが剥がれ、割れてしまった焼き菓子に、目を留める者はいませんでした。私は仕方がなし

みま

どしておらぬではないか。それに、人の好

イザベラがいました。不思議なことに、何度

、強く息を

になって息を吹き消します

ちも、お手伝

ろか、わっと燃え上がり、ケーキに引火しました。飛んだ火の粉がイザベラの自慢の髪を焦

!これは面

ちました。それどころか、皆の前で拾

べたことがないぞ。豪華なケーキは駄目になってしま

は真っ赤になるや

わたくしめも

これはうまい!」私に向かって、夫人と娘の非礼を詫び

唯一ある銀行の頭取が、もうすぐ

すであろう公爵様を、躍起

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