くせ ときの小説・書籍全集
時が流れても、君への情は朽ちず
二年前、彼は心に秘めた人を救うため、やむを得ず彼女を妻として迎えた。 彼の心の中では、彼女は卑劣で恥知らず、人の愛を奪う泥棒猫だった。彼は最も冷酷で無情な自分を彼女に向け、骨の髄まで憎みながらも、心に秘めた人にはあくまで優しく、あくまで丁寧に、あくまで愛情深く接した。 それでも彼女は、十年もの間、ひたすら彼を愛し続けた。しかし、やがて彼女は疲れ果て、諦めようとした——その時、彼の方が慌てふめいた……。彼女が彼の子供を宿し、命の危機に瀕した時、彼はようやく悟った。自分の命と引き換えにでも守りたいと願った女性が、ずっと、彼女だったことを。
