その令嬢、離婚につき正体を脱ぐ
【離婚後+正体隠し+元夫の激しい後悔+本物と偽物のお嬢様+スカッと痛快ラブ】
蕭明隼人が交通事故で失明した時、街中の令嬢たちは彼を避けていた。そんな中、明石凛だけが、ただ一人ためらうことなく彼に嫁いだ。
三年後、蕭明隼人の視力は回復する。彼はかつて想いを寄せた女性を喜ばせるためだけに60億の宝飾品を競り落とすが、明石凛に突きつけたのは一枚の離婚届だった。
彼は言う。「俺と秋子は、君のせいで何年もすれ違ってきた。もう彼女を待たせたくない!」
明石凛は、あっさりとサインをした。
誰もが彼女を笑いものにしていた。
庶民の娘が玉の輿に乗って蕭明家に嫁いだと笑い、そして今、お払い箱になった惨めな棄婦だと嘲笑っていた。
だが、誰も知らない。蕭明隼人の目を治療した名医が彼女であったことを。60億の宝飾品のデザイナーが彼女であったことを。株式市場を支配する投資の神様が彼女であったことを。トップクラスのハッカーが彼女であったことを……。そして、大統領家の本物の令嬢もまた、彼女であったことを!
後悔に苛まれる元夫は、ひざまずいてプロポーズする。「凛、もう一度だけチャンスをくれないか?」
とある俺様社長が、彼を叩き出す。「よく見ろ!彼女は俺の妻だ!」
明石凛:「……」
まったく、千年の鉄樹に花が咲くなんて!