水無月理子の小説・書籍全集
永久不妊、残酷な宣告
不妊治療の末, ようやく授かった小さな命. 夫にサプライズで伝えようと, 手作り弁当を持って彼のホテルへ向かったのが間違いだった. ロビーで私を阻んだのは, 夫に恋い焦がれるVIP総支配人の女. 彼女は私を「社長を狙うストーカー」と決めつけ, 部下たちと共に私を会議室へ引きずり込んだ. 「社長に近づく汚い女は, 私が教育してやるわ! 」 熱々の味噌汁を頭からかけられ, 激辛の麻婆豆腐を口にねじ込まれる. ハイヒールで指の骨を砕かれ, ハサミで服を切り裂かれた. 私が「お腹の赤ちゃんだけは」と泣き叫んでも, 彼女は嘲笑いながら私の腹部を蹴り上げた. 足元に広がる鮮血. 薄れゆく意識の中で, 駆けつけた夫の声が聞こえたが, 彼はあの女の嘘を信じかけていた. 流産. そして子宮への甚大なダメージによる永久不妊. 真実を知った夫は狂ったように加害者たちを制裁し, 血まみれになって私に許しを乞うた. けれど, もう遅い. 私の心は, あの日死んだ赤ちゃんと共に冷え切ってしまったのだから.
裏切りの婚礼と魂の行方
結婚式当日, 両親は私の双子の妹, 楓枝を連れて現れた. 希少な心臓病で余命わずかだという彼女の最後の夢は, 私の婚約者である純斗と結婚することだと言い放った. 「莉紗, お願いだ. 楓枝にこの最後の夢を叶えさせてやってくれ」 父は震える声で懇願し, 母は私を力ずくで控室に閉じ込めた. 婚約者の純斗は, ただ黙ってそれを見ていた. 私は抵抗も虚しく, 見知らぬ男に刺され, 命を落とした. 魂となった私が式場へ向かうと, そこでは私のウェディングドレスを着た楓枝が, 純斗と愛を誓っていた. 両親は満面の笑みで二人を祝福している. なぜ? なぜ私だけがこんな目に? その瞬間, 私はすべてを理解した. 楓枝の病気も, 純斗の愛も, すべてが私から全てを奪うための嘘だったのだと. 再び目を開けると, 私は血まみれのドレスのまま, 式の控室に立っていた. 刺されたはずの胸の痛みは, まだ生々しく残っている.
婚約指輪と裏切りの五年間
付き合って5年目の記念日, 私は彼が隠していた婚約指輪を見つけた. この特別な日にプロポーズされると信じていたのに, 翌朝SNSで見たのは, 大手建設会社の社長令嬢の薬指にその指輪が輝いている写真だった. 「愛してる, 莉枝」という彼の投稿. 私との5年間は, 一体何だったのだろう. 絶望の中, 私は彼らのプロポーズの現場に駆けつけた. そこで私を待っていたのは, 彼の裏切りだけではなかった. 会社では, 莉枝のネックレスを盗んだと濡れ衣を着せられ, 彼に平手打ちされ, 解雇された. 5年間, 彼の夢を支えるために全てを捧げた結果がこれ? 私の人生は, 彼の都合のいい駒だったというの? だが, 彼らが知らないことがある. 私の両親が, 私のためにもっともふさわしい婚約者を用意していたことを. 「お母さん…私, 結婚する. お見合い相手と」 これは, 私の復讐の始まり.
