香月紘大の小説・書籍全集
身代わり囚人の覚醒:冷たい弁護士の甘い罠を破る
五年の刑期を終えて出所した日、迎えに来たのは私を罠にはめた男と、私を憎む実の兄だった。 実家に戻ると、両親は私を歓迎するどころか養女の華蓮を溺愛し、私をゴミのように扱った。 私が刑務所にいる間、私への支援は全て母親の指示で止められ、その金が華蓮の小遣いに上乗せされていたことが発覚した。 兄は私を「出来損ない」と罵り、侮蔑するように小切手を投げつけた。 私が、本当は三年連続学年首席で東大法学部に合格した天才だった事実を突きつけると、彼らは驚愕に顔を歪めた。 だが、華蓮がわざと転んで見せると、両親は再び私を怒鳴りつけ、彼女を大切そうに抱きしめた。 実の娘が地獄を味わっていたのに、なぜ彼らは偽物の娘を愛し私を虐げるのか? 今日が私の出所祝いではなく、華蓮の誕生日パーティーだと知った時、家族への未練は完全に死に絶えた。 「お誕生日おめでとう」 私は滑稽な家族に冷たく言い放ち、振り返ることなく家を後にした。ここから、私の本当の反撃が始まる。
永夜に捧ぐアヴェ・マリア
セリナは、マフィアファミリーの私生児であるカイアス・カポネ氏に10年間仕えていた。 しかし彼が実権を握った日、一族の者たちは別人を「教母」と呼んだ。 カイアス・カポネ氏の血に濡れ銃を握る手は、一人の清純な美人を抱きしめていた。 「セリナ、俺を責めないでくれ。君は高等教育を受けていないし、奔放すぎる。マフィアの『教母』にはふさわしくない」 「シロデは君とは違う。彼女は高貴な生まれで、楽団の第二ヴァイオリン首席でもある。 君は名分がなくとも私についてこられるが、彼女はそうはいかない」 セリナは騒がず、振り返って立ち去った。 カイアス・カポネ氏は知らなかった。彼女が最も強大なマフィアファミリーの王女であり、シロデ様が所属する楽団の第一首席でもあることを。 メネスヴァ家はセリナが愚行に走っていることを知っており、とうの昔に彼女のために男を用意していた。 カイアス・カポネ氏が必死に取り入ろうとしている武器商人が、彼女の婚約者になろうと躍起になっている。
