中原愛の小説・書籍全集
離婚寸前、ワンナイトの相手は冷酷な「夫」でした
結婚して2年。夫は彼女に無関心で、彼の周囲には女性の噂が絶えなかった。 2年耐えた末、彼女はもう我慢の限界だった。「奥様の座」など、誰が望んで座るものか。ついに彼女は怒りに任せて離婚を切り出した。 ところが、離婚届が受理される前に、あるアクシデントが起きてしまう。彼女はなんと、顔も知らなかったはずの夫と一夜を共にしてしまったのだ! 一刻も早く離婚するため、彼女はその場から逃げ出した。しかし、離婚予定の夫が会社に突然現れ、あろうことか彼女の直属の上司になってしまった。 こうして、昼は上司と知恵比べ、夜は夫の接近を密かに防ぐという、正体がバレるのではないかと怯える日々が始まった。 そんなある日、彼は自分のそばにいる秘書が妙に目を引く存在であることに気づき、ついに彼女のささやかな秘密を知ってしまう…… 二人の関係はどこへ向かうのか。そして、離婚間近の夫は、再び妻の心を取り戻すことができるのだろうか?
さようなら、私と息子を捨てた人
新婚の夜、夫は「婚後は互いに不干渉」という契約書を突きつけた。 それ以来、夫と愛人のスキャンダルがどれほど騒がれようと、妻は分別をわきまえ、見て見ぬふりをした。 だが、妻が地方へ出張中、夫の愛人が幼稚園へ息子を迎えに行くことを申し出た。そして、その愛人と息子は誘拐されてしまう。 誘拐犯から夫に電話が入り、現金2000万を持ってくれば、すぐに解放すると告げられる。 夫は慌てて金を持って駆けつけた。 金を払えば災いを避け、愛人と息子を無事に取り戻せると思っていた。 しかし郊外の廃倉庫に着くと、誘拐犯は「2000万で解放できるのは一人だけだ」と告げた。 夫が選んだのは、愛人だった。 その夜、妻は新婚の夜に交わしたあの契約書を引っ張り出した。 愛人のために我が子を平気で見捨てるような男なら、無一文で叩き出してやる!
