瀬戸内 晴の小説・書籍全集
灰燼からの復活:追放された令嬢は天才外科医
義妹に薬を盛られ、東海林美雪は見知らぬ男のベッドで目を覚ました。 直後の婚約披露宴で、婚約者は突然式を中断し、巨大スクリーンに美雪の乱れた姿の写真を映し出した。 「我が伊藤家に、このような汚れた女は必要ない!」 無数のフラッシュと嘲笑が浴びせられる中、実の父は彼女を激しく平手打ちした。 「この恥知らずが!今日限り、お前は私の娘ではない!」 弁明すら聞かれず、父は彼女を勘当し、土砂降りの雨の中へ追い出した。 傍らでは、すべてを仕組んだ義妹が勝ち誇ったように笑っていた。 罠に嵌められ、家族に裏切られ、身一つで放り出された絶望と屈辱。 美雪は冷たい雨に打たれながら、心の中で固く誓った。 六年後。 医学界で「神の手」と呼ばれる伝説の天才外科医となった美雪は、双子の子供を連れて日本に降り立った。 唯一の味方である祖母の命を救い、自分からすべてを奪った者たちに血の代償を払わせるために。
声を持たぬ妻は、愛を捨てた
言葉を持たぬ妻・天野凜に、夫は五年間冷たいままだった。 子さえも奪われ、離婚後すぐに“忘れられない人”との婚約発表。 凜はその日、お腹の子を抱きながらようやく気づく——彼の心に、自分は一度もいなかったと。 すべてを捨て去り、沈黙の彼女は新たな人生へ。 だが、彼女を失ったその日から、男は狂ったように世界中を探し始めた。 再会の日、彼は懇願する。「頼む、行かないでくれ…」 凜は初めて声を発した。「——出ていって」
