霧島藍の小説・書籍全集
記憶を失った虐げられ妻は冷酷な夫を容赦なく捨てる
義妹に崖から突き落とされ、全身骨折の重傷を負って病院で目を覚ました。 しかし、夫が私に要求したのは、加害者である義妹への土下座だった。 「お前のせいで心結が怯えている。仮病を使って陥れるな」 夫は私の怪我を嘘だと決めつけ、無理やり腕を引っ張って点滴を引き抜き、私を大出血させた。 退院後も、実の兄は私をバーへ連行し、夫の腕に抱かれる義妹の前で謝罪を強要した。 実家へ逃げ帰っても、実の親から冷水を浴びせられ、「お前は心結のための道具だ」と罵倒される始末。 かつての私は、彼らに愛されたくて親友すらも遠ざけ、ひたすら卑屈に生きてきた。 なぜ私は、ここまで惨めな扱いを受け続けなければならなかったのか。 だが、崖から落ちた衝撃で、私の心から彼らへの愛情や執着は綺麗さっぱり死に絶えていた。 「慰謝料も財産分与も一円たりとも譲りません。迅速に離婚します」 私をゴミのように扱う家族を見つめながら、私は冷たく宣言した。 過去の愚かな自分とは決別し、これからは私のためだけに反撃を始める。
身代わりの妻は天才デザイナーとして覚醒する
夫の書斎を掃除していた時、「復讐と代替」という隠しフォルダを見つけた。 パスワードは、夫が愛する別の女の誕生日だった。中には私をあの女の身代わりとして利用する計画書が入っていた。 ショックで倒れそうになった私はお腹の子の危機を夫に伝えたかったが、彼はその女と一緒にいて電話を無慈悲に切った。その夜、酔って帰宅した夫に抵抗も虚しく無理やり抱かれ、私は流産した。 病院で目を覚ました私を待っていたのは、さらなる地獄だった。夫が私の毎日のスープに薬を混ぜ、二度と妊娠できない体にしていたことを知ったのだ。 「あの女に岡本家の跡継ぎを産む資格はない。理歌音への償いだ」 友人にそう笑って話す夫の声を、私は物陰から聞いてしまった。 この二年間の私の献身は、一体何だったのか?なぜ彼は自分の子を殺し、私の未来まで完全に奪わなければならなかったのか? 私は離婚届にサインをし、未練なく家を出た。そして、彼への愛のために隠してきた「天才ジュエリーデザイナー」としての莫大な資産の封印を解いた。私を無能な女だと嘲笑ったあの男に、本当の絶望を教えてやる。
冷酷な医師の夫に棄てられて
誰もが知っていた。彼は一流の婦人科医でありながら、女には一切近づかないことで。 どれだけ若く瑞々しい身体が目の前にあろうと、視線ひとつ上げることはなかった。 私はずっと自分だけは特別だと思い込んでいた。けれど、共に過ごした10年の間、彼は私に触れることを許さなかった。 私の指先が偶然に衣の端へ触れただけでも、 返ってくるのは冷たく硬い一言――「規律を守れ」。 またしても彼の寝床に近づこうとして拒まれたその夜、彼は私の前に10人の男を並べ、順に私を抱かせた。 その後、私は泣きながら彼を責め、拳で叩いた。けれど彼の声はただ平板だった。 「いつまでも未亡人のようにさせるわけにはいかないだろう」 11度目、彼に用意された男が私を押し倒したとき、私は狂ったように睡眠薬を200錠飲み干した。 次に目を覚ましたとき、彼は初めて私の触れ方を受け入れた。 私はそれをきっかけに、少しずつ心を溶かせると信じた。 だが翌日、彼の所有する別荘で、私は彼がある女を腕に抱き、 髪に口づける姿を目にしてしまう。その眼差しには、私が一度も見たことのない熱が宿っていた。 問いただす私に、彼は冷ややかに言い放った。 「彼女はお前とは違う。汚れた下心なんて持っていないし、男を誘惑することもない」 私は唇を強く噛みしめ、血の味が広がるまで堪えた。 「……もういい。私たちは終わりにしましょう」
