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第11章私をかばった夫、チャールズ

文字数:3189    |    更新日時: 22/02/2021

「ルーさん、 ご心配なく。 この企画がルーさんのご満足のいくようにいたします」と、ライアンは意味ありげな微笑で言った。 チャールズが突然歩くのをやめたので、後ろにいたライアンは彼にぶつかりそうになった。

「ル、 ルーさん。 どうかされましたか?」 ライアンは遅れて出てきたので、ポーラの言ったことが聞こえなかった。 チャールズが瞬きもせずポーラを見つめているのを見て、彼は驚いた。

チャールズはオータム・イェに目を掛けてるのではなかったか? どうしてポーラに興味を示してるんだ?

ポーラは美しい女性ではあったが、若くて活気のあるイェと比べたら、それほど魅力的ではない。 それに、ポーラはかなり年上だ。

そう思いながら、ライアンがポーラに手招きした。 ポーラは上品に彼に近づいていき、意味ありげに言った。 「ルーさん」

彼女の声は魅惑的だった。

「ルーさん、 当社のもう一人のプランナー、 ポーラです」と、ライアンは笑顔でポーラを引き寄せて紹介した。 ポーラはチャールズが支えてくれる事を期待し、わざと倒れそうなふりをしたが、 無駄に終わった。 チャールズは身を躱し、ポーラは倒れ込みそうになった。

「ルーさん…」 ポーラがチャールズを見ながら不満そうに言った。 彼のような貴族の血を引いている人と結婚するのはできないけど、 彼の愛人になれば優雅な生活ができるわと彼女が思った。

ポーラはオータムと全く違い、金持ちの男と付き合うという人生の目標があった。

「ルーさん、 イェは経験不足で大きな間違いを起こしました。 彼女はこの企画には適していません。 私を信用して頂けるのなら、この企画を引き継ぎますわ。 満足のいく企画にいたします」と、ポーラは真面目腐った約束をした。

チャールズはポーラを無関心に馬鹿にしたように見て、「あなたは自分が適任だと?」

「ルーさん、 ポーラは有能なプランナーの一人です。 彼女は…」ライアンはずっとワインパーティーではなく報告会という企画をしたオータムを恨んでいたから、 チャールズがイェの能力を怪しんでいるこの時、 他の誰かをイェの代わりにするチャンスだと思っていた。

それに、イェに比べたら、ポーラはよりコントロールしやすい。

「この数年間、俺が立ち向きできない程、イェは大きく進歩した。 では、このことで彼女を押し込めよう」とライアンは考えていた。

チャールズはライアンが話し終える前に遮った。「チョウさん、 あなたはいつから誰それ構わず企画を任せるようになったんですか?」

「な…なんですって?」

「今日言っておくが、イェがシャイニングカンパニーのこの企画について、全て担当する。 彼女を悪く言うのはやめたまえ。 彼女の邪魔をするものは後で後悔することになる」チャールズは恐怖で震えているポーラに目を向けながら言った。

ポーラは、チャールズはオータムをサポートするためにここに来たのだと気づいた。

落ち着きを保っていたが、心の中では怒りが込み上げてくるのを感じていた。

なぜ?

どうしてイェが会社のいいとこ取りをするの? チャールズでさえ彼女を高く評価している。

どうして私じゃないの?

「企画が整ったら、イェに私の会社に届けるように伝えてくれ」と、チャールズは会話を終わらせ、クラウド広告会社を後にした。 デビットが後を追った。

こんな些細な企画の為に、二度もここに来ることになるなんて。 会社の取締役として威勢を示し、 あの女に俺が穏便でない事を知られておいた方がいい。

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目次
第1章わかったわ!彼と結婚するわ! 第2章契約書 第3章仕事に戻る 第4章レイチェル・バイの計画 第5章同居 第6章プレゼンテーション 第7章家 第8章一体どうしたのだ 第9章私の事、愛してる? 第10章トップ記事 第11章私をかばった夫、チャールズ
第12章初めて、シャイニングカンパニーへ
第13章忙しい?なにに?
第14章レイチェルかオータムか
第15章彼女を首にして!
第16章レイチェルからの警告
第17章ポーラのアフタヌーンティー
第18章ディナー
第19章新企画部長は誰に
第20章酔っ払い
第21章大家族でのディナー
第22章彼女の話を遮る
第23章変わったいとこ
第24章チャールズの義理宅への訪問
第25章イボンヌがチャールズを取り戻す
第26章ボーイフレンドか男娼か
第27章ルー夫人
第28章別れ
第29章ゲイリーの怒り
第30章一千万円を貸してください
第31章一緒に寝る
第32章デートの日
第33章邪魔者
第34章甘い汁を吸ったのに文句言う
第35章チャンスをくれ
第36章クリスとチャールズの対決
第37章オフィスでの冷やかし
第38章ポーラの権力闘争
第39章退職
第40章ポーラの大失敗
第41章できることは何もない
第42章ルー夫人に教える
第43章どうにもならない奴
第44章真実
第45章お前を養う
第46章オフィスに戻る
第47章彼女は戻ってこないだろう
第48章はめられる
第49章店での口論
第50章真実は勝つ
第51章偶然
第52章夫の嫉妬
第53章ロマンチックなキス
第54章リトル・イェ
第55章欲しいものを追え
第56章新人研修
第57章感謝
第58章一緒に来て
第59章秘書部内の嵐
第60章リンダの非常な親切
第61章チャールズの意図
第62章彼女は行けない
第63章ソンさん
第64章我慢
第65章明らかな嘘
第66章サムがオータムを守る
第67章まだ終わっていない
第68章公の場での発表
第69章チャールズの負傷
第70章チャールズ、病院で
第71章交渉
第72章サムとの個人面談
第73章クリスの失恋
第74章レイチェルの帰国
第75章チャールズの退院
第76章ゲイリーからのアドバイス
第77章浴室で
第78章彼女の魔法
第79章敵対的なナンシー
第80章ナンシーの謝罪
第81章辞任
第82章秘書採用中に知人が
第83章チャールズとのディナー
第84章イボンヌの意図
第85章イボンヌの提案
第86章オータムの退職
第87章再びグー家へ
第88章祖母のビデオ
第89章サム、真実を知る
第90章彼の後悔
第91章グー家での夕食
第92章言い合い
第93章オータムを送りに空港へ
第94章シンディ
第95章シンディの両親
第96章アレルギー
第97章病院で
第98章子守り
第99章ぎこちない夕食
第100章ホテルの火災
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