ハニー結の小説・書籍全集
婚約破棄された天才女医、冷徹な軍人総帥に溺愛される
薄暗い廃工場で、私と藤井美咲、そして婚約者の高橋翔太は誘拐犯に捕まっていた。 「どっちか一人だけだ。選ばれた方は助けてやる」 犯人が銃口を突きつけて迫ると、翔太は一秒も迷わずに叫んだ。 「美咲を……美咲を助けてくれ!」 その言葉を聞いた瞬間、心臓が氷水に浸されたように冷えていく。 前世の私はこの期に及んで泣き叫んで懇願したが、彼は私をあっさりと見捨てて逃げ出した。 残された私は犯人に嬲られ、最後は自宅マンションで焼き殺されたのだ。 裏切られた絶望と、皮膚が焼ける生々しい痛みが、時を超えて蘇る。 怯える私と美咲の間で視線を揺らす翔太の瞳には、救いようのない自己保身と卑劣さしかなかった。 なんて愚かだったのだろう。あんな男に愛を乞い、養父母の道具として生きていたなんて。 再び三年前のあの日に戻ってきた私は、もう涙を流さなかった。 「美咲さんを連れて行ってあげて」 驚く翔太を冷たく突き放し、私は隠し持ったガラスの破片を強く握りしめた。 今度こそ、誰の道具にもならない。自分の力で運命を切り開いてやる。
君に聴かれる恋、スピーカーになった私
交通事故に遭った。 ──けれど奇跡的に、私は生まれ変わった。 ただし、生まれ変わった先は……なんとスピーカーだった。 私は悲しみのあまり、昼も夜も鬼のように泣き叫んだ。 最後は一か月間泣き叫び、ようやく現実を受け入れた。 スピーカーとしての人生を始めた。 欲望も感情もある“普通の”スピーカーとして、私は毎晩声を響かせていた。 けれど……この家の主人は耳が聞こえないのだと思っていたのに、実はただの演技だったのだ。 そしてある日、彼は私に──告白した。 ヤバイ? エグイ? 世界は、ついに狂ってしまった。
離婚したのに、元夫が離してくれません
結婚して2年。夫は一度も家に足を踏み入れず、“醜い妻”の顔すら見ようとしなかった。そのくせ、外では毎日のように芸能人たちと浮き名を流していた。 彼女は、もううんざりだった。だからこそ、彼を解放することにした。――ここからは、お互い別々の道を行きましょう、と。 ところが離婚を切り出したその後…… 彼は、会社のデザイナーに妙に目を引かれるようになる。 少しずつ、彼女の“仮面”を剥がしていく彼。そしてついに、本当の姿を知ったその日―― 彼は、後悔することになる。
