嵐山 琳の小説・書籍全集
運命の番を偽ったあなたへ
私のベータメイトであるカイエンは、孤狼の襲撃を受け、記憶を失ってしまった。 彼は自身の子を身ごもった私のことを忘れ、ガンマの雌狼エヴリンと番いになった。 カイエンは、エヴリンこそが彼の「運命の相手」であり、オメガの私では彼に釣り合わないのだと言い放つ。 私は彼の望みを受け入れ、メイトの絆を解消した。 ――その後。二人目のメイトであるアルファキングとの結合の儀式の場で、カイエンは目を赤く染めていた。 「俺の子を孕んだまま、他の男に嫁ぐ気か?」 私は平坦になったお腹に手を当て、静かに答えた。 「まさか。あなたの子はもう……どこにもいない」
元カレ社長の結婚相手、私が募集します
彼女がしてきたことの中で、最も惨めだったのは、彼のために5年間「専属秘書」を務め上げたことだろう。 自分のすべてを捧げ、彼のために自らの輝きを隠し、何事も彼を優先してきた。それなのに、最後に返ってきたのは「結婚することになった」という一言だった。 すっかり意気消沈した彼女は、彼のもとを去り、これからは自分のためだけに生きようと決意する。 キャリアの女王として返り咲き、人生は順風満帆。仕事も絶好調で、言い寄る男性は後を絶たない。 彼は後悔の念に駆られ、男性たちに囲まれる彼女を引き寄せ、こう懇願した。「後悔している。どうか、もう一度チャンスをくれないか?」 彼女は晴れやかな笑顔を浮かべると、SNSにこんな投稿をした—— 【元上司の社長様、眉目秀麗、資産家、悪癖なし。特に、結婚相手を一名、高額な結納金を用意してお探しです。ご興味のある方はご連絡ください】 さらには親切心から、元上司の連絡先を各お見合いサイトに登録してあげたのだった。
美味に溺れて、血に染まる
私は、とある茶室で特別な茶葉を売っている。 その茶葉を料理に加えると、食べた者は中毒者のように、その禁断の味を求めずにはいられなくなるのだ。 噂を聞きつけた高級料理店の主たちが、後を絶つことなく私の元を訪れる。 だが私だけは知っている。その茶葉が、中毒者たちの鮮血を吸って育つという真実を。
婚約者の裏切り?問題なし、叔父が甘すぎます
[正体隠し+スピード婚+契約結婚からの溺愛+スカッと系ざまぁ] ある名家の令嬢は、20年間も田舎に置き去りにされて育った。都会の実家に戻った矢先、婚約者と家の養女の浮気現場を目撃してしまう。自暴自棄になった彼女は、勢いで婚約者の叔父のベッドへもぐりこんだ。 一夜の気まぐれが、亡き許嫁のために3年間も操を守り続けてきたと噂の男の理性を、いとも簡単に打ち砕いてしまった……。 事後、ストイックで知られるその男は「体だけの関係だ」と言い放つ。腰の痛みに耐えていた彼女は、それを聞いて呆れて笑ってしまった! 「昨夜のあなたの腕前だけど、はっきり言って、満足度はイマイチね。チップは200円、それ以上はびた一文出せないわ!」 男は顔を曇らせ、彼女の腰を掴んで引き寄せる。「昨夜の君の身体は、その口よりもずっと正直だったが?」 なんだかんだで、彼女はあのクズな元婚約者の「叔母」という立場に収まってしまう。 婚約披露宴の席で、偽善者の元婚約者は顔面蒼白になり、彼女に頭を下げるしかなかった! 誰もが彼女のことを、品がなく、教養もない、出来損ないの娘だと噂していた。 しかし、ある超一流の社交パーティーで、彼女は資産1000億の大物として姿を現す。 「私が名家に嫁ぐですって?私自身がその『名家』よ」
