img 俺の妻はそっけない女  /  第14章ママに会いたい | 1.38%
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第14章ママに会いたい

文字数:3910    |    更新日時: 09/04/2021

「ムーさん、 起きて」 朝早く、ベッドの横に現れた小さな人影は、エドワードの腕をつかみ布団から引っ張り出そうとした。

エドワードは心地よい夢の続きを邪魔されてたまるものかと寝返りを打ったが、その少年は引っ張るのを止めない。 余りのしつこさにエドワードは苛立って頭をボリボリかきながら立ち上がって、 目の前にいる少年を見つめた。 今朝方布団に入ったのは 午前3時だった。 枕に頭を付け眠りに落ちるなり、 もうこのちび助に起こされてしまった。 しぶしぶ時計を見ると、 「まだ 6時!」 その瞬間エドワードの怒りは爆発した。

「ジャスティン・ムー、人のことを朝早く起こしたのにはちゃんとした理由があるんだろうな?」 エドワードは歯を食いしばって言った。 どうやらまた「王子症候群」の発作が起っているようで、 睡眠の邪魔をされるのが本当に嫌なのだ。 余りの苦痛に、ジャスティンに「ムーさん」 と呼ばれたことさえ気付かなかった。 不機嫌な気分が晴れるにはまだ時間が掛かりそうだ。

「パパ、今日は週末だよ。一緒にお出かけしよう?」 父親の機嫌がヤバい方向に向かっていると感じたジャスティンは、すぐさま舵を取り直し、帆を整え、その小さな顔をパパの腕に押し当てた。

エドワードは自分の人生がとても悲劇的だと思った! 今日は週末で会社が休みなので、昨日は夜遅くまで仲間と飲んだ。 ついつい、いつものペースで飲んでしまい、家に手のかかる小さな子供が居ることなどすっかり忘れていた。 エドワードは何も言わずに左右のこめかみに手を当て、 「まったく!一緒に出掛けるにしたって、なにもこんなに早起きする必要は無いだろう!」 と、うっとうしく思った。

「で、どこに行きたいの? こんなに早起きする必要ある?」 そう言いながらエドワードはベッドから降りて、ほぼ裸で浴室に向かって歩いて行き、ジャスティンは父親のその姿にあきれ返った。

ほぼ裸の父親は腹筋を晒しっぱなしにしていた。 そんなものはママと軍隊にいた時に いやというほど目にしてきたが、 実際、父親の身体は悪くはない。 鍛え抜かれた身体には脂肪の痕跡も無く、傷跡の一つもない肌は驚くほど滑らかだった。

「パパ、ビーチに泳ぎに行こう」 ジャスティンは海に行く時いつも母親と一緒だったが、父親と一緒に泳いだり遊んだりできる他の子供たちをいつも羨ましく思っていた。 やっと父親と一緒に遊べる今、どうしても海には行っておきたかったのだ。

「泳ぎに?」 エドワードは硬直した。 こんな暑い時期にビーチなんかに行ったら日焼けしてしまう。

「そんなら家にプールがあるんだろう?」

「家で泳ぐなんてつまんない」 ジャスティンは顔をしかめ、 その目には失望の色が浮かび上がった。 エドワードは暑さが嫌いなことを知っていたので、 ビーチが暑くなる前に行こうと早起きしたのだ。

分かったよ、行けばいいんだろ! この子は俺を拷問するために天から送られて来たに違いない。 そう思ったが、エドワードは息子のガッカリした顔を見て、行かないとは言えなかった。

海までの道中、ジャスティンは興奮して話しまくっていて、 さっきまでの失望した冷たい顔付きはどこへやら、ウキウキしていた。 それを見てエドワードは満足した。

「ねぇ、ムーさん、 泳ぎ終わったら遊園地に行こうか?」 エドワードはハンドル操作を危うく誤りそうになって、 車が少し横滑りした。 彼は手入れの行き届いた眉をひそめた。 ほらみろ! デイジーは俺を苦しめるためにわざとこの可愛い小悪魔を送り込んだに違いない。

「坊や、遊園地は来週にしてくれる?」 ジャスティンに懇願した。 こんな暑い日に遊園地で遊ぶなど想像すらできないし、きっと生きては帰れないだろう。 考えるだけで死ぬほど嫌だった。

「それならいいよ! 約束だからね!」 これがすでにエドワードの最大の譲歩であると分かっていたので、これ以上しつこくお願いはしないことにした。

ビーチはみんなが大好きな場所だった。もちろんエドワード以外のみんなだが。 波は輝く日差しの下で、空と同じくらい青くて、 エドワードはかすかに目を細めた。 そしてビーチにいる大勢の人だかりを見て、もう逃げ出したい衝動に駆られる。

「ジャスティン、戻ろうか?」 エドワードは国内の海で泳いだことは一度もない。 大きな理由の1つは、人ごみの中でぎゅうぎゅうにされながら泳ぐなんて、それほど恐ろしい事は無いからだ。 エドワードはまだ海パンに着替えてもいなかった。 ビーチにいる人々がじろじろ見ている。 他人の視線には慣れているが、凝視されながら服を脱ぎ、裸になるとなったらまた話は別だ。

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目次
第1章また会う日まで 第2章父と息子 第3章社長の愛息 第4章役立たずの女は嫌いだ 第5章ジャンクフード 第6章第6章 ボスは誰? 第7章小さなムー氏 第8章ママからパパを盗らないで 第9章Capítulo独立した小さな男の子 第10章俺がこの子の父親だ 第11章転園
第12章俺のことが好き?
第13章妄想癖
第14章ママに会いたい
第15章ここに君の居場所は無い
第16章変人
第17章この悪魔は誰
第18章一緒に倒れて
第19章恥のかかせ合い
第20章Capítuloフルーツレスラブ
第21章Capítulo女性を隠す
第22章Capítuloジャスティンは熱を持っています
第23章Capítuloあなたは奇跡です
第24章Capítulo私たちが見る
第25章Capítuloジャスティンは誰ですか
第26章Capítuloエドワードの荒廃
第27章Capítuloなぜあなたは私のお母さんが好きではないのですか
第28章Capítulo彼は今日怒っていた
第29章Capítuloママが泣いた
第30章CapítuloIt'sMe、Edward
第31章Capítulo私はあなたを気にしません
第32章CapítuloLothario
第33章Capítuloあなたはお互いを知っています
第34章Capítulo教えてくれませんか
第35章Capítulo巻き毛のペルシャ人
第36章Capítuloあなたはどれほど貧しいですか
第37章CapítuloはMu氏を怒らせた
第38章Capítulo難民
第39章Capítulo彼女は明日来る
第40章Capítuloあなたは私に魅了されていますか
第41章Capítulo私は彼女の夫です
第42章Capítulo私の妻
第43章Capítulo家に帰ろう
第44章Capítulo私はそれを取ることができません
第45章Capítuloキスしたら目を閉じて
第46章Capítuloエドワード・ムー、あなたは恥知らずです
第47章Capítuloお父さんは食べられない
第48章Capítulo離れないでください
第49章CapítuloSeeMeOut
第50章Capítulo私はあなたと話している
第51章Capítulo彼女は誰ですか
第52章Capítulo電話に出られませんでした
第53章Capítuloあなたは何をしていますか
第54章Capítuloは別の車があります
第55章Capítulo今日あなたに仕えさせてください
第56章Capítuloあなたは何もすることがありませんか
第57章Capítuloあなたが台無しにできない誰か
第58章Capítuloしかし、私は彼女の夫です
第59章CapítuloGiveMeYour Phone
第60章Capítuloあなたは何をするつもりですか
第61章Capítulo戻ってきたら整理します
第62章Capítulo彼は奇妙な行動をとっています
第63章Capítuloあなたは空の脅威に満ちています
第64章Capítulo次回は呼吸することを忘れないでください
第65章Capítuloミスデイジー
第66章Capítuloあなたはドアをノックすべきだった
第67章Capítulo最近はかなり忙しい
第68章Capítulo今日のあなたの獲物は不運な男
第69章Capítuloあなたは私がいなくて寂しいですか
第70章Capítuloくそー嫉妬
第71章私には彼氏がいると言ったCapítulo
第72章Capítuloあなたはよくパパのオフィスに行きますか
第73章CapítuloミスOuyangはここにあります
第74章Capítuloねえ、あなたは再び呼吸するのを忘れました
第75章Capítuloあなたは本当にママが好きですか
第76章Capítuloハニー、何を食べたいですか
第77章Capítulo私は助けることができます
第78章Capítulo私はタイムマシンに出くわしたかもしれません
第79章Capítuloいつ結婚しましたか
第80章Capítuloそれはあなたが思っていることではありません
第81章Capítuloそれはパパとルークおじさんです
第82章Capítuloだからあなたは走ることを計画している
第83章Capítuloなぜあなたは私を信じないのですか
第84章Capítuloあなたは私を心配していますか
第85章Capítulo死ぬまで私たちは離れて
第86章Capítulo私は誰であると思われますか
第87章Capítuloハニー、あなたは何をしていますか
第88章Capítuloあえて彼女に触れて
第89章Capítuloあなたは薄すぎる
第90章Capítuloあなたはそのような悪党です
第91章Capítuloハニー、あなたはついにここにいます
第92章Capítuloこれは私の将来の義理の妹です
第93章Capítulo私を義姉と呼ばないでください
第94章Capítulo老婦人
第95章CapítuloはMu夫人が再び酔っている
第96章Capítulo最初にシャワーを浴びてから、寝る
第97章CapítuloCallMeBaby
第98章Capítuloこれは許容範囲です
第99章Capítulo大佐を台無しにしないでください
第100章Capítulo私は愚かだと思いますか
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