「違うって言ったのよ! 私のファーストキスを奪った満足感なんか、あいつにくれてやるもんか! だってあいつ、それをネタにいつまでも私をからかうつもりなんでしょ? 真っ平だわ!」
「で、君は何て言ったんだ?」 クレイグが笑いながら私に尋ねた。
「違うって言ったの。私のファーストキスの相手はあいつなんかじゃないって。 だって、あいつ調子に乗るに決まってるもん」
「ああ…… それであいつは信じたのかい?」
「うん。怒ってたし、彼のお母さんが私たちを祝福したら、直ぐに出て行っちゃったもん」
「チェッ 。 ジョセフがあのとき君にキスをしなかったのは運が良かったね。それで、君の未来の夫は君からファーストキスを奪うことができたんだから」
「本当よ。あのクソ野郎は伊達に地獄