彼がさらに何か言うのを待っていたが、それきり口を閉ざしてしまったので、今度は私が尋ねる番だ。
「それで終わり?」
私は腕組みしながら真剣に尋ねた。 そして彼が私の仕草を目で追った時、そこに微かな欲望の気配があったのを私は見逃さなかった。
「愛しの旦那様、自分の役割も居場所もちゃんとわかってるわ。 私は私自身の人生と悩みで忙しいの。 あんたのことなんかにかまけている暇はないから安心して。 それから、二人の関係のことなら全く心配いらないわ。あなたの言ったように、私たちは友達じゃないどころか、同じ屋根の下で暮らす赤の他人だものね。 もう寝るわ、おやすみ」
私は返事も待たずに ドアを開け、彼を廊下に置き去りにした。 クイーンサイズのベッドが目に入ると着替えることなど思いもよら