「おはよう、ナナイ。 よく寝たわ。寝坊で仕事に遅れちゃいそうよ」
「どちらで働かれているんですか?」
「ダンススタジオよ。 ダンスの先生をしていて、私が経営しているのよ」 笑顔でそう答えた。
「本当に?それは素敵ですね。お聞きしてよかったんですわ。 そうそう、キッチンに朝食をご用意いたしましたよ」
「あぁ…… ナナイ、ありがとう、でも行かなくちゃ」
「じゃあ、ここでちょっとお待ちください。お弁当にしてあげましょう。 お腹が空いたらいつでも食べられるように」
彼女の言ったことに心を揺さぶられたので、思わず抱きしめずにはいられなかった。
「ありがとう、ナナイ・エミリー」 私は引き返して彼女に向かって微笑んだ。 「こんなことしてもらったの初めてよ。 面倒を