「ライアン、お願いだからキューピッドになろうなんて思わないでちょうだい。私とあなたのお兄さんは赤の他人なの。 私たちは何から何まで反対で、そもそも夫婦になるべきじゃなかったのよ。 私がなんで彼と結婚したか知っているでしょう?」
「ええ、でも一つ訊いていいかしら?」
私は頷いた。 「もちろん」
「あなたもダニエルのこと嫌いなの?」
私は眉をしかめた。 「お兄ちゃんのこと嫌いなの?」
そう言いながら彼女は頷いた。
「違うわ。 嫌ってなんかいないわよ、ライアン。 ただ、彼の振る舞いが不愉快なだけ。 だっていつも仏頂面だし、叱ったり侮辱したりせずに普通に話すってことができないのよ」
「ベル、お兄ちゃんともっと親しくなれば、冷たくて傲慢なだけじゃないとわかるよ